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「パナマ文書」にアメリカ国籍の個人や法人が含まれていないことを、米国マスメディアが騒ぎ出したのは公表から2日後のことである。さまざまな推測のなか、「パナマ文書」の流出は米政府関与により、意図的に公表されたとの疑惑が強まっている。
米国籍の個人と法人は含まれているのか
米大手新聞社のマクラッチーによると、データベースには少なくとも200人の米国籍のパスポートがあり、米国に住所を持つオフショア会社の株主は3,500人とされている。政治家はいなく、脱税回避の目的でオフショア法人を設立した個人が多いとされている。特定された数人の個人名は公表されたが、正確な人数や法人名は特定できていない。また情報が今後公表されるかは未定である。
公表に当たっての4つの視点
エリスト・ヴァリファ
ドイツのジャーナリストで金融専門家のエリスト・ヴァリファ氏は、「パナマ文書」の流出は米情報機関による特別作戦であると述べている。スキャンダルは米国企業には影響がなく、「パナマ文書」の公表により、個人資産家や法人は今後『パナマから、課税から完全に免除されているタックスヘイブンである、米国のネヴァダ州、サウスダコタ州、ワイオミング州、デラウェア州などに資金を移すことになる。パナマにあるとされる約30~40兆ドルの資金を米国に流入させるのが目的で、このような文章流出事件が行われた』と述べている。
ウィキリークス
ウィキリークス(WikiLeaks)は、特定ではなく、同形式の完全な情報公開を求めている。この要望に対して、調査ジャーナリストの国際コンソーシアム(ICIJ)は、完全な情報公開はしないとしている。しかし、問題はICIJが公表する情報の選別基準にある。公開されている情報は主に、欧米が批判的である、反欧米勢力のロシア、中国、イラン、イラク、エジプト、シリア、ブラジルなどである。
ウィキリークスは、ICIJがフォード、ロックフェラーやソロスから資金提供を受けており、プーチ大統領への攻撃は、USAIDとソロスが資金支援している、ロシアを標的とする、 組織犯罪汚職摘発報告会(Organized Crime and Corruption Reporting Project: OCCRP)の攻撃作戦であると指摘している。資金はアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)とジョージ・ソロスが提供している。 USAIDは、経済支援活動と題してCIAは諜報活動を行っていることはよく知られている。ロシアのプーチン政権の政治不安を引き起こすのが目的とされる。
ガブリエル・ズックスマン
「21世紀の資本」のトマ・ピケティとの共同研究でも知られている、「失われた国家の富:タックスヘイブンの経済学」の著者で、カリフォルニア大学バークレーのガブリエル・ズックスマン氏は、アメリカ国籍の個人や法人が少ないのは、パナマでのオフショア法人の必要性はなく、米国の有数のタックヘイブンを利用していると指摘している。実に米国は近年、「新しいスイス」とも呼ばれるほど、タックヘイブンとして有名になっている。パナマが安全でなくなると、米国のタックスヘイブンに資金を移動する個人や法人もでてくる可能性はあるとしている。
ラモーン・フォンセカ
モサック・フォンセカ法律事務所の創業者の1人である、ラモーン・フォンセカ氏は6日に、社内調査の結果、「パナマ文書」は内部リークではなく、外部によるハッキングによる情報流出であることを訴え、司法長官にしかるべき調査と対応を依頼したことを明らかにした。外部ハッキングであれば、ますます米国関与の疑いが強まる可能性が高い。