FRBの緊急特別会合の意図―Part1

13.04.2016

Photo: The Washington Post

 

 11日に米連邦準備制度理事会(FRB)は急遽、非公開の特別会合を開いた。その後、イエレン議長はホワイトハウスに呼ばれ、国が非常事態でない限り行われない、大統領と副大統領、財務長官を含む緊急会合が行われた。引き続き1213日にもFRBの非公開特別会合が実施されたが、その内容や目的は非公開のままである。

 

 

 4月には、これまで非公開の緊急特別会合が4回開かれたことになる。

 

4月6日   銀行監督関連事項

 

4月11  金利に関する金融政策(7日に会合が設定)

 

4月12  銀行監督関連事項 (11日に会合が設定)

 

4月13  金融市場、金融機関、インフラに関する事項(11日に会合が設定)

 

 

報道されない特別会合

 注目する点は特別会合が開かれた事が、FRBのホームページ以外は一切主要メディアでは報道されていないことである。特別会合であれば、その緊急性と重要性が焦点となるが、会合に関する情報はなく、非公開であることが、逆に金融システムが深刻な状況にあることを意味する可能性が高い。

 

 2008年のリーマン・ブラザーズの破綻が報道される前の状況に似ている。FRBが特別会合を開き、その後米財務省と共同で複数の金融機関とリーマン・ブラザーズの売却の交渉を行ったが、最終的には商談が決まらず、破綻した。

 

 

 加えて、12~13日には、G20の財務大臣と各国中央銀行総裁の会議が米国ワーシントンDCで実施され、IMF と世界銀行の共同年次総会が15~17日の期間に予定されている。この一週間で、米国ワーシントンDCにおいて世界の金融状況に関する会合が、全ての主要金融関係者間で話し合われている事の意味することが重要である。