Photo: inquisitr
ヒラリー・クリントンの健康状態の悪化は急速に進んでおり、重大な政治問題に発展し始めている。選挙活動中での、咳の発作、運動障害(頭の震え、転倒、自力で階段を上ることができない、歩行障害、バランスがとりづらい、立てないなど)、激しい疲れ、体力の低下、精神障害(精神混乱、言葉を失う、一時的記憶喪失、感情の起伏)などの症状が頻繁に見られるようになってきた。
公共の場で明らかに様々な症状を見せているにもかかわらず、主要メディアはクリントの健康に問題はないと報道、重病説は陰謀であると報道を続けている。しかし、複数の著名な医師による、主治医のカルテと全ての医療情報の公開を求める動きで、健康状態が問題になっている。大統領候補者としてふさわしくないと考える人は増加しており、支持率の低下は避けられない状況にある。
大統領選投票日まで81日を残した今、クリントンの健康悪化は両候補の対照的な選挙活動でも明らかである。8月1~20日までの間、2日しか休みを取っていないトランプに対し、クリントンは半分の10日も休みをとっている。その他にも報道取材の制限、演説会場にカメラの持ち込みの禁止(フラッシュなどの強い光で発作が起きるのを防止するため)、長い休憩時間、演説や有権者と接しる時間が短いなどの対策がとられている。
クリントンの病状を知る権利を主張する医師
クリントンは大統領の職務を果たせるかを医療面から疑問視しているのが、全米医師連合の重役ディレクターのジェーン・オリエント医師である。全米医師連合のウエブで、「民主党の大統領候補者が脳損傷の病状を示しているにもかかわらず、主要メディアは無視している」ことを問題にしている。以下がオリエント医師の主張である。
「クリントン氏の医療情報は公表されていないが、過去の転倒で脳震盪を受けたと言われている。その後、複視をなおすためにプリズムメガネを時々かけているのを見かけるようになった。脳震盪の多くの場合、通常のCTやMRIに映らない脳挫傷を引き起こしていることがある。」
「爆発による脳震盪を受けた多くの退役軍人は脳挫傷で苦しんでいる。症状には思考停止、集中力の低下、混乱、記憶力の低下、いらいら、感情の起伏、感情的爆発、動揺、頭痛、バランスや筋肉運動の整合が取りづらい、発作などがある。症状のある多くの退役軍人は仕事を持つことはできず、家族とも正常に接することはできない。」
「明らかに、このような症状をもつ人が外国の首脳と重大な政治的判断を下すのは大変危険である。アメリカ大統領は、急に世界を変えるような政治的判断を下す場合もある。例えば、核ミサイルを発射するべきかどうか。その時、アメリカ合衆国軍の最高司令官が混乱していれば、だれが決断を下すのか?」
「ヒラリーの支持者たちは、クリントンの補佐官であるフーマ・アベディン又は夫のビル・クリントンに投票することになるかもしれない。国民はクリントンの医療記録の内容を知る権利はある。」
医療コメンテーターたちの医療情報の公開
全米TVで「最も信頼できる医師」と呼ばれるドクター・ドリュー(Dr. Drew)ことドリュー・ピンスキー医師は、クリントンの健康状態を「深刻な問題」であると発言した。ピンスキー医師は、すでに公開されている医療カルテを分析した結果、健康状態だけでなく、治療内容にも深刻な問題があるとしている。
カルテによれば、2012年の転倒で、横静脈洞血栓症と診断され、血液凝固に問題があると指摘する。しかし、病状の正確な診断とその治療内容に疑問視している。「我々の分析では、病状に適切な薬が投与されておらず、1950年代の医療治療を受けている。服用している薬の副作用で様々な奇妙な症状が出ているのではないか」と提唱している。大統領選の投票日に向けて、病状が身体能力に及ぼす影響は重大な問題で、クリントンの医療記録を早急に公開することを求めている。
Fox Newsの医療コメンテーターである、ニューヨーク大学病院のマーク・シーゲル教授とレノックス病院のデイヴィッド・サマディ医師も脳挫傷による今後健康悪化は重大な問題で、担当の脳神経外科医の医療記録の公開を求めている。
2016年大統領選の共和党候補で全米最も評価が高い脳神経外科医である、ベン・カーソンは国民の知る権利があり、クリントンの健康記録を公表するべきとしている。大統領には、身体能力と精神能力が要求されるため、健康に問題があるとすれば、大統領としてふさわしいかを判断する必要があると述べている。
クリントンの健康問題に関する世論の変化
8 月11日に発表されたRasmussen世論調査によると、有権者の59%は大統領選候補の最新の健康情報を公開すべきだと答えている。クリントンの健康状態が注目を集め始めた2014年の38%と比べ、大幅に上昇している。また、共和党員(58%)ではなく、民主党員(62%)の方が情報公開を求めていることが明らかとなった。
もはや、隠し通せないクリントンの健康状態の悪化、医師や有権者たちによる医療記録の公開の追求に対して、クリントン陣営がどう対応するのかが注目される。