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ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏が滞在しているロンドンの駐英エクアドル大使館で、8月21日(午前2:47)不審者の侵入未遂事件があったことが判明、暗殺の危険性が高まっている。不審者は大使館建物の壁を登り、窓から侵入しようとしたところ、警備員に見つかり、逃走したとされる。
2012年にエクアドル大使館で亡命を認められて5年目、いまだに英政府下では身柄拘束状態に置かれている。大使館の外は厳重な警備体制がひかれ、大使館外に出れば、逮捕されスウェーデンへ身柄を引き渡される事態にある。
ヒラリー・クリントン氏が国防長官任期中に使用された個人サーバーから送受信した Eメールや民主党全国委員会の幹部の間で交わされたEメールをこれまで公開、10月には大統領選に多大な影響を及ばすとするクリントン関連Eメールを公開する予定の最中で起きた事件である。
弁護士の不審な自殺
アサンジ氏の代表弁護士で、英国で最も有力な人権派弁護士の一人として知られていた、ジャーン・ジョーズ氏が8月15日に不審な自殺をとげている。北ロンドンのウエスト・ハムステッド駅で電車に跳ねられ、即死、自殺と断定された。しかし、ジョーズ弁護士には子供2人の円満な家庭があり、有意義な弁護士活動をしていたことに加え、遺書もないため、自殺には謎が多いとされている。
エクアドル大使館での亡命の中止を求める動き
元エクアドル国連大使で外務大臣を務めたホセ・アヤラ・ラソー氏は8月9日に、「アサンジ氏はロシアからの技術的支援で、政治活動を影響しようとしている。彼をアメリカや他の国からかくまる事は南米のイメージに悪い。彼はエクアドルにとっていつ爆発するかわからない爆弾である」と地元El Comerio紙で批判している。ウィキリークスによれば、アサンジ氏の発言や活動の検問を求める深刻な政治的圧力がエクワドルに向けられていると明らかにしている。
クリントン陣営からの「暗殺するべき発言」
翌日の8月10日には、クリントン陣営の選挙対策ストラテジストのボブ・ベッケル氏は テレビインタビューで、アサンジ氏の暗殺をほのめかした。「我が国には特殊部隊がある。死人は情報をリークすることはできない。彼は売国奴であり、アメリカの全ての法を破っている。私は死刑制度に反対であるので、死刑以外の方法、つまり彼を撃ち殺すべき」と過激な発言をしている。この暗殺発言は主要メディアで問題視することはなく、報道されたことは、いかにメディアがクリントン支持派であるかが明らかである。
エクアドル政府に圧力
これまでアサンジ氏の亡命と安全を保障してきたエクアドル政府は、8月11日にエクワドル大使館でのスウェーデン当局による性的暴行容疑に関する尋問を許可した。スェーデン政府による数回にわたる身柄引き渡しの請求を回避してきたエクアドル政府の急な転換である。アメリカ政府からの圧力がかかったと考えてもおかしくない。
もしアサンジ氏の身柄引き渡しにエクアドル政府が合意することがあれば、アサンジ氏はスェーデンに搬送され、その後アメリカに送還されると思われる。