世界に広がる感染症(最新情報Part1)

Apr. 9, 2015

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 WHOの最新報告によると、4月5日時点でエボラ出血熱の感染者は25,550人、うち死亡者は10,587人と今だに、西アフリカで感染者が報告されている。しかし、世界中を見渡せば、エボラ出血熱以外の感染症が様々な地域で報告されている。



インドでH1N1豚インフルエンザ

 2014年 12月以来、インドでH1N1型豚インフルエンザが大流行している。インドの公衆衛生局によると、4月5日時点で死者数は2,123人で、感染者数は 35,000人と発表している。



 突然変異により2009年にメキシコで出現したH1N1型新型インフルエンザはインドでも広がり、2010 年には1,763人の死亡者を出した。2009年から 2012年には、H1N1型は世界で猛威を奮い1万8000人以上が死亡したとされる。


 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは今回の H1N1型はこれまで流行しているものよりも強毒性に変異した可能性があると指摘している。同グループは2009~2012年のH1N1型の遺伝子と比較して、ウイルスの感染力と重症度が強くなっていることを突き止めた。今後は、監視体制により、大流行中のウイルスの拡大を追跡する必要性がある。2009年の新型インフルエンザの出現した時のように、変異した新型であれば、2016年のインフルエンザ・シーゾンに向けても、より重要になるとしている。



ヨーロッパにおける結核

 結核は感染症の中では、AIDS に続き、死亡率第2位である。2013年には、世界でAIDS死亡者の160万人に対して、150万人が結核で死亡したとWHOは報告している。ヨーロッパ諸国においても、1日最大で1,000人、36万人が感染した。感染者数は地域によっては減少傾向に向かっているが、2050年までの撲滅目標は達成できないとされる。


 貧困と結核が相関関係にあることから、ヨーロッパで経済状況が悪化すれば、結核が拡大する可能性は高い。


 

東南アジアでこれまでの薬が効かないマラリア

 マラリアにより世界で年間58万人の死亡者がでている。これまでマラリアに効果があった薬、アルテミシニンが効かないマラリアの出現がミャンマーとインド国境で危機的な問題となっている。


 東南アジアではこれまで、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムで事例が報告されていたが、今回ミャンマーでは、薬が効かないマラリアが高い頻度で報告されている。遺伝子の突然変異を起こしたマラリアがミャンマー広域に拡大しているため、インドに広がることが懸念されている。