Apple Watchはステンレス、SPORTはアルミニウム、EDITIONは18 Kケースが特徴。中身は同じでケースで差別化し画面の大きさで2タイプ(38mm、42mm)、EDITIONのハイエンドモデルの中でも最も高価なモデルはゴールドブレスレットのもの。
ゴールドブレスレットを除いてバンドは3種類から選べるが男性用(42mm)で比較して、SPORTは$377-429、Watchは$699-749、EDITIONは$7,999でゴールドブレスレットをつけた最高級モデルでは$19,999となる。3月10日サンフランシスコで行なわれるイベントで正確な値段が発表されるが、Cook CEOはiphone6発表時に最安モデルが$749といっている。
EDITIONのケースはイエローゴルド(K18YG)もしくはピンクゴールド(K18PG)で成分割合:金75%、銀15%にK18YGでは銅10%、K18PGではパラジウム等10%となる。WatchとEDITIONは単体価格が$749と$7,999である。
この差が利益を含むケースが18KYGとなったコストとすると$7,250=870,000円となる。金1gの税込み価格が2015年3月3日付けで5,082円/g(田中貴金属)なので差額を全て金に換算すると171.2g、5.5オンスとなる。2オンスの金を使用するとして870,000円から2オンス分の金の価格を差し引くと316,100円となり利益率57.7%となる。
iphone6を分解し部品と組み立てコストを見積もると26-30%であるので、利益率70%となる。
年間4,000万台の売り上げの70%が利益となる構造なので、新規顧客がiphoneなみに購入に走れば、生産スケジュールは非現実的とはいえない。月産100万台の真偽のほどは3月10日までわからないが、過去にiPod、iphone、iPadを発売した当時を思い越せば既存の物差しで測れないことも確かだ。
最高級モデルが高級腕時計の価格になっていることでApple Watchが高級腕時計市場へ参入するととるのは表面的である。Apple Watchは時計と情報管理、iphoneとの連携以外の使い方で「人とのつながり」と「ヘルスケア」に着目している。特に「人とのつながり」ではLINEを意識したことは明白だ。ソフト担当者のプレゼンでは「ICON」といわず「EMOJI」といっている。連絡が来ればソフトなタップで知らせる機能はマナーアップにつながる。
自分の心臓の鼓動をセンサーで読み取って相手に伝える機能は、恋人間ではありきたりだが、病院が自宅の患者をモニタできることは医療ITへの道が開ける。センサを改良すれば鼓動以外に、血圧や血流モニタができるだろう。スマートウオッチの未来像が見え隠れする。