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中国の世界最大のクローン施設が家畜のクローン化を計画している。年間100万頭の子牛クローンを生産できる世界最大のクローン施設が近く操業を始める。
問題の多いクローン家畜
動物のクローンは生まれてから数週で死ぬ確率が高く、しかも苦しんで死ぬという現状に、本格的な家畜クローンへの批判が高まっている。2,100万ポンドの出資で設立予定の施設は、クローン羊Dollyの誕生で始まった賛否両論の議論が続いているクローン事業を実質的に肯定したともとれる。
欧州では9月に動物愛護の目的でクローンが禁止される一方、中国のこの施設はバイオテク会社BoyaLifeの会長Xu Xiaochunが支援している。Xu氏は「問題がああるなら科学倫理的なものか、それとも政治的なものか」と開き直る。彼によればクローンに関する批判は間違いだと主張する。
中国では急速な発展に伴い中間層に牛肉(注1)を供給するため、食肉業者が生産に追いつかず、クローンで大量に家畜を増産する事業に興味を示している。実際2000年から3年で肉類の価格が3倍になった。Xu氏はまた家畜以外にも競馬やペットも対象だというが、主な目的がクローン家畜にある。
パートナーは韓国の捏造事件の張本人
研究施設、遺伝子バンク、展示館も含まれるクローン施設は天津近郊に建設が始まっている。Boya Lifeには韓国のクローン犬を販売するバイオ企業Soam Biotecが出資している。Soam Biotechの会長は2005年に世界初のクローン犬をつくり、2006年に幹細胞の研究捏造で世界中に知られたHwang Woo-Sukである。悪は悪を呼ぶというが、葬らなければいけない男がバイオ企業を率いて再起をはかれることは理解に苦しむ。
施設のクローン生産能力は年間100,000頭にのぼり最終的には年間100万頭を目指す。
クローン技術は未成熟で研究継続の必要性があるとされる。クローンの死亡率がまだ高く、死亡する際に苦しんで死んでいくという。生産性、安全性とともに倫理上、動物愛護の観点で問題が解決されていない技術なのである。施設の可能で市場に出回るクローン肉の問題が起きるとすれば2016年になる。