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15日に開催された共和党予備選挙の候補者ディベートで、ドナルド・トランプと元フロリダ州知事ジェブ・ブッシュがISISの対応を巡り舌戦を繰り広げた。トランプ氏はISISメンバーの家族にも厳しく対応すべきと述べた。サンバーナディーノ襲撃事件を例に取り上げた後、2001年9/11同時多発テロ事件の当日に、当時の大統領であったジョージ・W・ブッシュが米国にいたビン・ラーディン一族を機密に国外に逃亡させたことを訴えた。これまで、陰謀説とされてきたブッシュとビン・ラーディン一族との関係を明らかにしたのである。
家族が事前に知っていた
トランプ氏は2日に起きたカリフォルニア州サンバーナディーノ襲撃事件の容疑者サイード・ファルークがテロ組織と関わっていたこと、攻撃を準備していたことを家族は事前に知っていたと指摘した。その証拠に母親や妹はアパートを訪れた際、パイプ爆弾や銃弾が床にあったとテレビインタビューで答えている。実際アパートから12個のパイプ爆弾、爆弾を作る大量の部品や4000発以上の銃弾が見つかっている。そこで、テロ事件を防止するには、イスラム過激思考を持つ者やその家族に対しての厳しい対応が必要であると指摘した。
ビン・ラーディン一族の国外逃亡
2005年にAFP通信は、”FBI flew Saudis Out After 9/11”の記事の中で、「新たに公表された資料によると、米 FBI捜査官たちは、アメリカからサウジアラビアの2つの著名な家族を空港まで付き添い、国外に護送した」と述べている。この情報は米国の非営利政府監視団体のJudicial Watch が米国情報公開法(FOIA)に元づき入手した非公開の報告書に基づいている。
9/11テロ事件直後、連邦航空局(FAA)による全米における飛行禁止命令が出ていたにも関わらず、オサマ・ビン・ラーディンの家族24人が当時滞在していたロスアンゼルス、ボストン、ヒューストン、ワーシントンDCなどを含む全米10カ所に、ブッシュ大統領の要望で飛行機が迎えに行き、国外に護送したのである。今回、トランプ氏はビン・ラーディンの家族は事前にテロ事件が起きることを知っていたうえ、ブッシュ大統領が9/11に家族を国外護送したことから、ブッシュとビン・ラーディンとの関係を明らかにした。
アメリカ国民にとって最も悲劇的なテロ事件が起きた11日から数日間の間に約140人のサウジアラビア国籍の王室メンバーやビン・ラーディンの家族がブッシュ大統領により国外に護送。9/11事件の詳細がまだ分からない時点、さらにその後19人のテロリストのうち15人がサウジアラビア国籍でテロ事件に関与していたことが明らかになっても、聞き取り調査が一切ないままサウジアラビア国籍の市民はアメリカ国外に出ることができたのである。
9/11テロ事件後、ブッシュ政権はサウジアラビアにおける数十億ドルの軍事設備拡張の契約を結ぶことになる。