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バナナの大敵パナマ病(下の写真)を引き起こすカビの一種(Fusarium oxysporum)によってすべてのバナナが地球上から絶滅する危険性がある。専門家は最大の産地である南米各地が被害に広がりつつあり、南米全体にパナマ病が蔓延するのも時間の問題とすると警告している。
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パナマ病を引き起こすカビはもともと東アジアで発見されたもので。オランダのWageningeen大学の研究者がその拡散を調べている。その結果、Tropical Race 4(TR4)と呼ぶパナマ病のクローンが主要な品種であるキャベンデイッシュ・バナナに深刻な脅威となっていることがわかった。
キャベンデイシュ・バナナはバナナ全体の47%を占める。TR4は最初、インドネシア産に発見されたのちに、台湾、中国、南アジアに拡散した。TR4に感染すると維管束系が損傷して土壌から水分を供給できなくなり枯れる。そのため出荷量が減少している。
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さらにTR4はパキスタン、レバノン、ヨルダン、オマーン、モザンビーク、クイーンズランドへ拡散し続けている。1876年にバナナの木が枯れる病気がオーストラリアで発見されたが、同じ病気がコスタリカとパナマの農場でもみつかった。
1900年代には世界中のバナナ園にこの病気が広が史上最悪のバナナ収穫の被害をだした。その原因が土壌に生息するカビの一種であることがわかったのは1910年であった。TR4はこれまでに100,000haの農園に被害を及ぼし、今後も被害が拡大するとみられている。
被害が大きくなった理由のひとつは単一種(キャベンデイッシュ・バナナ)に偏った栽培にある。詳細は専門誌に詳しい記述がある。栄養価が高く消化の良いバナナが絶滅するとなれば、食生活に大きな影響を与える。ミニオンの大好物に危機が迫っている。