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ビッグバン理論によるとビッグバン後の状態はすべての物質がクオークとグルーオン粒子の混ざり合った「極限環境状態」にあった。周長27kmの世界最大の円形加速器器LHCは14TeVという巨大なエネルギーでそのような状態をつくりだすことができる。
アップグレード後の「Season2」とと呼ばれる実験期間は鉛イオン同士を衝突させ原子核同士を衝突させる。このほどLHCはこれまでの倍以上のエネルギーで鉛イオン衝突実験を行い、ビッグバン後を再現する状態をつくりだすことに成功した。
11月17日に鉛イオンを加速し衝突させた。LHCでは年間1カ月は重イオン衝突実験に割り振られているが、2015年はアップグレードにより衝突エネルギーが14TeVに倍増した。
宇宙誕生において物質は超高温、超高密度状態にあったが、主にこの状態はクオークとグルーオンによってできていて、のちにプロトンと中性子になって物質(元素)がつくられた。
LHCの研究グループによるとビッグバン後にクオーク・グルーオンプラズマ状態が100万分の1秒の時間スケールで存在したという。
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衝突は検出システムのひとつALICE検出器内部で起こり、エネルギーが倍増したことにより作り出されるクオーク・グルーオンプラズマの温度とお体積が増加する。ビッグバン理論ではビッグバン後の時系列(上)でやがて生命の起源となる時間領域が訪れる。
重イオン衝突によるプラズマ状態の変化を追跡すれば、ビッグバン後の生命の起源についての知見も得られる。アップグレード後、予定していた13TeVのエネルギーを達成するのに2年を要したLHCは重イオン衝突実験で人類未踏の領域に挑む。
LHCの実験の概要は下の動画でわかりやすく解説されているので参照されたい。
衝突実験が観測されるALICE検出器の詳細はCERNのALICE Collaborationにある。日本語の説明は検出器の製作を分担したALICE実験・日本グループが詳しい。重量10,000トンのALICE検出器には複数の検出器が組み込まれており、様々な粒子の観測を行う。ALICE実験・日本グループの広島大学にはALICE実験データを解析する計算センターが設置されている。