規制されるエボラ出血熱報道

Dec. 23, 2014

 

 エボラ出血熱に関しての報道はほとんど聞かれなくなったが、西アフリカでは未だに感染は拡大している。WHOの報告では、12月20日の時点での感染者数は19,031人、うち7,373人が死亡している。しかし米国でエボラ出血熱感染の疑いがある人の報道について、新たな報道規制がしかれ報道されていない。

 

 

エボラ出血熱報道の変化

 エボラ出血熱に関する報道が過熱していた10月に、オバマ大統領は歴代の民主党政権の補佐官を務めてきたロン・クライン氏をエボラ熱対策責任者に任命した。クライン氏はリーマン・ショックの際、住宅金融会社、Fannie Mae(連邦住宅担当金庫)の破綻危機からの救済を求めたロビイストで有名な人物である。医療知識は全くないことに加え、黒人に対する過去の差別的発言でもよく知られている。

 

 任命直後、エボラ出血熱に関する報道のあり方が大きく変わったとされる。特に、中間選挙までの間、エボラ出血熱に関する報道を極力に控えることを報道機関の間で求めたことが明らかとなっている。

 

 米国政府はエボラ感染が米国で拡大する可能性に備えての対応(全米35カ所のエボラ出血熱対応可能な病院の設立、1月中にエボラワクチンの臨床実験の終了と認可、9月10月の国防省による合計410,000着のハズマットスーツの緊急注文)を実施している一方で、CDCの「実態隠し」と「報道規制」が浮上した。

 

 

CDCの不可解な行動

 CNNや CBSなど大手テレビ局で30年以上のキャリアーを持ち、2度のエミー賞を受賞した報道記者のシャラル・アトキソンさんは、22日のFOXニュース番組で、米国CDC はエボラ感染の実態を報道していないことを暴露した。

 

 

 現在、米国CDCは、全米44州でエボラ感染の疑いがある1,400人を州と地域保険当局によってモニターしていることが確認された。ほとんどは、西アフリカからの渡航者である。国民の間でパニックを避けるため、CDCは誰もが知る権利があるはずの感染情報の正式な発表をしないうえ、ホームページでの情報公開もしないとしている。