40歳前の日本人は、20%インフレと9%金利、1ドル360円の時代を全く知らない。30歳以下の世代は0かマイナスインフレと0金利の世界しか知らない。不健全な経済がこれほど長く続いたのは、改めて驚きである。
最近スーパーに行って、食品や日用品の価格が上がっていると感じている人は多いのではないだろうか?ここで、総務省統計局が発表した6月の消費者物価指数を検証してみよう。
消費者物価指数総合 3.6% (前年同月比%)
食料 5.1%
生鮮食品 11.1%
光熱・水道 8.1%
電気代 9.9%
ガス代 7.7%
他の光熱 10.2%
上下水道料 3.5%
家庭用耐久財 8.5%
交通・通信 3.6%
教養娯楽用耐久財 8.0%
理美容サービス 2.3%
2013年消費者物価指数総合 (前年同月比%)
物価上昇は主に原材料費の高騰と円安政策によう輸入コストの上昇によるものである。では、世帯収入と可処分所得の動向はどうであろうか?本日、発表された家計調査6月速報によると、実質収入は−6.6%(前年同月比)、可処分所得は−8.0であった。以下でみるように、2013年の10月から、実質収入と可処分所得は減少傾向にあることが明白である。
2013年可処分所得 (前年同月比%)
収入が減少しているなか、物価が上昇していれば、当然消費支出は減少する。
消費税8%を加えると、一年前とは、別の世界に住んでいるように感じてもおかしくない。6月の完全失業率は3.7%と再び悪化。さらに、ほかの経済指標も悪化を示している。6月の御売業販売額と小売業販売額はそれぞれ前年度月比、−0.7%と−0.6%である。6月の貿易収支は8,222億円の赤字、季節調整値は前月比で25.5%増、驚きの24ヶ月連続の貿易赤字である。
経済状況の改善は期待できない。物価はさらに上昇、収入と消費支出の減少傾向は今後も続くであろう。経済政策や金融政策の失敗の犠牲となるのは、いつも「99%」の国民である。2014年は、アベノミクスがアベマゲドンになる年となるであろう。