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米国には連邦準備区が12あり、各連銀の管轄地域の製造活動を示す製造業景況指数を毎月発表している。その中でもエンパイア・ステート、フィラデルフィア、テキサス、リッチモンドなどの連銀製造業景況指数を米国全体の景気先行指数として見ると、米国がすでに不況に入ったことがわかる。
リッチモンド連銀製造業景況指数
米2月のリッチモンド連銀製造業景況指数は分岐点割れに転じ、1月の2からマイナス4となった。リッチモンド連銀の管轄地域は第5地区(ウェストバージニア、サウスカロライナ、ノースカロライナ、バージニア、メリーランド、ワシントンD.C.の6州)で国内総生産の9.1%を占める。項目別の詳細は以下の通り。
2015年12月 2016年1月 2月
-------------1ヶ月前との比較-------------------
総合指数 6 2 ― 4
出荷 0 -6 -11
新規受注 8 4 - 6
受注残 0 4 -14
稼働率 2 0 - 5
雇用者数 16 23 19
週平均就業時間 4 14 5
賃金 22 33 22
設備投資 23 22 25
在庫水準 最終財 27 24 20
素材 23 21 36
総合的に製造業景況が悪化しているのが明らかである。特に、素材在庫の増加が地域の製造業の活動状況が悪化していることが読み取れる。
NY連銀製造業景況指数(エンパイア指数)
2月のニューヨーク州の製造業状況は引き続き分岐点を割り、7ヶ月連続のマイナス16.64であった。2008年5月から9ヶ月間続いたマイナス指数に近づいている。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数
2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は6ヶ月連続で分岐点を下回り、マイナス2.8であった。主要項目の新規受注、出荷、雇用、受注残、在庫の悪化が進んだ。
ダラス連銀テキサス製造業景況指数
1月のダラス連銀テキサス製造業景況指数は大幅に悪化、マイナス34.6をつけた。2015年1月から分岐点を割っている。原油価格の下落により、エネルギー関連企業の業績悪化、生産縮小、企業倒産が続いている。テキサス州は景気後退、今後不況は深刻になると思われる。