そう遠くない未来、2050年に地球上の人口は90億人となりエネルギー需要は現在の2倍となると予測されている。人口増加で最大の問題は食糧と水、そしてエネルギーである。地球の収容限界が近い今日、実行には勇気のいる火星移住計画を含めて様々な救済プロジェクトが提言されいくつかは実行されつつある。慌てないために現実的な移住計画を考えてみよう。地球上の最も未開拓な領域は海である。ここに都市をつくり移住してはどうだろう。
実際、海上都市計画は国内外でさかんに研究開発が進められている。その中でもグリーンフロート(GREEN FLOAT)計画が現実味がある。海面上昇により珊瑚礁の国土が埋没する恐れのあるキリバス共和国は、埋没を防ぐためにグリーンフロートに未来を託している。キリバス共和国(注)に提案された清水建設のグリーンフロート計画は次のようなものである(資料:清水建設)。
(注)太平洋上の33の珊瑚礁からなる独立国。海面上昇で陸地が消滅の危機にあるため国民が安定に住める海底都市を検討している。清水建設の出した答えは海中ではなく高層ビルが有機的に組み合わされた未来都市だった。
グリーンフロートは海上に浮かせた高さ1000mのタワーに3万人が居住する海上都市だが、住民は海中でなく高層階に居住する。赤道直下といえども1000m上空は温度が安定し、年間を通じて温度が 26-28度である。一方、植物にとってもふんだんな日射で安定な農業が可能になる。これにより食糧自給も容易である。また太陽光発電を使えばオール電化の豊かな生活を送る事ができる。
富裕層を対象にした海上都市の構想は多い。しかしグリーンフロートは3万人規模の最小単位を増やして、100万人規模までの都市を海上に実現できる。火星への移住計画も検討され始めているが、未知の世界である大洋への移住はより現実的かもしれない。
1000mに住むもうひとつの方法は中東に建設が進められている3つのオーバー1000mの超高層ビルの最上階ペントハウスを獲得することだが、非現実的な価格になるだろうしもう予約はいっぱいだろう。空中都市については引き続き記事をかくことにする。