これまでもオクラホマ州に多発する地震がシェールガス・オイル掘削によってもたらされた地下水で地滑りが起こるとした見方が多かったが、ついに地質調査所が中央と東部アメリカの地震マップを公表した。
木曜に発表された地質調査所の発表ではやはり最も地震が頻発していたのはオクラホマ州であった。実際にオクラホマ州のM3以上の地震発生数はカリフォルニア州を上回った。
また最近になってテキサス州のダラス−フォートワース付近の地震活動が活発化し、カンサス、コロラド、ニューメキシコ、オハイオでも地震の増加がいられた。
調査によるとこれらの場所は全て深部に水を注入する水圧破砕による油田周辺であった。地質調査所地震被害対策室のMark Petersenは地震多発を深刻なものと受け止め警告している。
調査報告では地下への大量注水が原因であることを結論しており、地下に溜まった汚染水によって(地盤が滑り易くなるため)地震が多発すれば周囲の住民に危険が及ぶとして警告している。
2011年のオクラホマの地震は家屋の損壊と負傷者を出したし、コロラドの地震も地下に溜まった汚染水のためだという。M3クラスは日本ではさして気にとめないが、オクラホマには1,300年前にM7の地震があったという。このため大地震が誘発される恐れがあるという。1960年にデンバーの汚染水貯水池が原因で地震が起きる、とした論文がScience誌に発表された。
シェールオイルの増産はリグ数の減少と並行して進められている事実は局所的に地下水が溜まりつつあることを物語っている。エネルギー安全保障と環境保全が真っ向から対立する問題にオバマ政権はいとも簡単に答えを出そうとしている。