カリフォルニアの干ばつは年々ひどくなる一方で、ブラウン州知事が異常事態を宣言、異例ともいえる法的措置を含む対応措置をとるという。今までにない非常時体制に深刻な干ばつの規模がうかがえる。
法的措置により当局の水資源開発が加速され、節水の効率を上げることが目的である。具体的には以下の項目がある。
*1日の最大の反則金$500から$10,000へ増額。
*罰金徴収を水道局が直接行えるようになる。
*節水の達成のための権限強化。
*節水監視業務を地元の役所で代行。
干ばつの実態はどうかといえば、水資源の源である積雪が4月1日の通年平均の5%であったという。サクラメント市郊外のI-50ハイウエイから90マイル地点の降雪が全くなかった。1941年から始まった観測史上、はじめての無雪状態という。下にカリフォルニアの貯水池マップを示した。北部の貯水池はシェラネバダに降った雪が水資源となる。
このままではカリフォルニアは史上最悪の干ばつを迎えると考えられる。一方、主な貯水池、Lake ShastaとLake Orovilleでは毎日貯水量が目減りしている。乾燥でしているため蒸発した水が再び水になることがないため、それぞれの貯水量は73%、67%の水位にある。
カリフォルニアの干ばつは4年目となるが、歴史的にはカリフォルニアの干ばつと水不足は今に始まったわけではない。これまで最も被害の大きかったのは1929年から1934年と1976年から1977年にかけてと、1987nennkara
1992年、そして最近では2012年に起こった干ばつである。
カリフォルニアの年間の降雨の半分は12月からの3カ月に集中するのだが、悪天候はあったもののこの期間の降雨が少なかった。なんといってもシェラネヴァダに降る雪の量が異常に少ないことが最大の問題である
干ばつの原因である降雨量が少ないことは気温が高い観測結果とも一致する。2014年のカリフォルニアの平均気温は20世紀の平均値より4.1度(華氏)上昇、温暖化の影響が色濃くなっている。
ブラウン知事の法的措置の多くは節水に関するものであり効果に限度があるので、水資源の確保の重要度が高まりつつあるが、水資源の開発は大手企業に独占されている。公共の水資源でなくなったことのリスクが表面化しつつあるカリフォルニアでは、法的措置に頼らざるを得ない。今回の思い切った法規制がどのような効果を上げるのか注目される。
NASAによればカリフォルニアの水不足は今年の干ばつより以前、2011年から始まっており、上の写真のように貯水池の水資源が年々、減少していてこのまま行けば1年後に完全に枯渇すると警告している。水の配給も近い。またエネルギー危機や食糧危機に直結する恐れがある。