2050年までに認知症患者が1億3,500万人に

Photo: Remain at home senior care


アルツハイマー症を含む認知症発症患者が急速に増えている。統計もそうだが経験的にも昔を振り返れば、年寄りは口うるさい存在で体力は衰えても気力は若者を上回っていた。子どもの頃の年寄りは朝早くから起きて活動的であり、徘徊老人など見たこともなかったはずだ。


現在、世界各国が頭を悩ます認知症患者は4,400万人。専門家の調べではそれが2050年までに13,500万人になると予想されている衝撃的な事実が明らかになった。アルツハイマー症の国際研究機関(Alzheimer Disease International, ADI)によれば、2010年に比べて現在の増加率は17%2050年までに貧困国もいれると1億人以上の患者数となることを発表した。

 


高齢化が進んでいるのは世界的な現象で現在、アルツハイマー症の治療法はない。脳機能(記憶、思考、動作)に悪影響を及ぼすこの病気の原因は不明であるが増大する一方の患者の国の財政負担は各国とも深刻である。



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現在でも認知症対策にかかる費用は6,000億ドルで、GDP1%を占めるが、増大の一歩をたどっている。キングスカレッジのMartin Prince教授によれば国が認知症対策を講じているのはわずかに13国だけだという。

 

来週ロンドンで開かれるG8サミットにおいて認知症対策について特別の会合を持つという。英国では55歳以上の高齢者にとって認知症は376億ドルの財政支出となり、癌と心筋梗塞など心臓病の合計を上回る。

 

キャメロン首相は今後の対策と研究開発に2015年までに6600万ポンドの予算を組むことを発表した。専門家はサミットの結果、研究予算が増えれば抜本的な治療の確率に弾みがつくとして歓迎している。

 


しかし認知症が増大する理由があるはずである。長生きして高齢者が増えただけ、とする意見もあるが、それならば平均寿命の伸びと対応するはずだ。しかし現実には17%の増大は説明がつかない。そこで何らかの現代生活習慣と関連ずけようとする。中には血圧降下剤の副作用とする人もいる。しかし全て同じ薬剤を使用しているわけでもない。ワクチンやケムトレイル(注1)を疑う人、食生活の変化、農薬の効果(特にGMO)、放射線障害、携帯電話による脳のダメージを疑う説など様々な憶測が飛び交っている。

 

最近、アルツハイマー症の脳に真性菌の痕跡が認められたという報告があった。また最新の脳機能イメージングなど研究手法の発達で原因究明は急ピッチで進められている。本格的な対策はその後にならざるを得ないが現代社会の恩恵の代償である何かがわかった時点でそれを人類は捨て去らざるを得ないかもしれない。

 

 

(注1)航空機から何らかの薬物が日常的に散布されている。これは各国で確認されている事実。散布されている物質は気候改変のためとする説や人口削減のための薬物とする陰謀論まで様々な推測がある。ケムトレイルは飛行機のつくる飛行機雲と異なるので見分けることができる。