昨年12月に、中国人民元はユーロを抜き、国際貿易の決済で2番目に最も使われている通貨となった。2014年は、人民元のさらなる国際化を後押しするためのインフラ整備の年となるであろう。
世界の基軸通貨である米国ドルが、2013年に国際貿易決済の81.08%を占めているのに対し、人民元は8.66%であった。2012の1.89%と比べると、大きく拡大したことがわかる。最も人民元を使っているのが、香港、シンガポール、ドイツ、オーストラリア、フランスである。
国際貿易における人民元の利用の拡大を促進するために、中国は対外貿易国との通貨スワップ協定を積極的に結んでおり、今ではその数は20カ国以上となる。スワップ協定の利点は互いの通貨を貿易決済に使うことにあり、米国ドルを使う必要が無くなることを意味する。今後、国際貿易決済に占める人民元の割合は拡大するとみられる。
現在、中国の対外貿易の元決済は18%であるが、来年には30%に達し、中期的には60%にまで占めるようになると香港金融管理局はみている。
さらに、中国の銀行は、ヨーロッパにおいてはパリ、フランクフルト、ロンドンで人民元の清算指定行としての開設が決り、人民元はより流動的となる。今後、フランス、ドイツとイギリスの間で人民元取引の清算拠点の開設をめぐり、激しい競争に発展していくのは確かである。
9月13日には、イギリスは西側諸国として初めて、人民元建ての国債を発行すると発表した.イギリスは国債発行を通じ、人民元を外貨準備に加えることになる。人民元が西側諸国の外貨準備金に加わることは初めてであり、人民元の国際化を大きく促進する動きである。英国にとって、今後より多くの中国投資を呼び込みたいことを反映している。
中国人民元の国際化を促進するためのインフラ整備は着々と進んではいるが、更なる国際化には、通貨の規制緩和がどれだけ進むか、経済の安定と成長の持続可能性、金融政策や金融取引の情報の透明化が進むかが問われている。