世界中で報告される熱波

Photo: NBS Washington


 15年後にミニ氷河期が訪れるという記事をかいたが、に本各地では記録破りの猛暑が続いている。世界でも猛暑による被害が深刻化している。イラン南西部のペルシャ湾に面したバンダルマズハーでは7月31日に気温が46度を記録、人間の体感温度は実に74度に達した。


 太陽活動は低下していることは事実なので、ミニ氷河期へ向かっていることは確かななずであるが何故、猛暑が猛威をふるうのか。実は猛暑に限らずアメリカのテネシー州で凍死者がでるなど、酷寒の冬と猛暑の夏という両極端にふれる異常気象の理由が知りたくなる。カリフォルニアの干ばつは降雪量が少ないことによるが、分水嶺を隔てて天候の差が大きくなっている。また竜巻発生がテキサス州で発生するなど発生地域が南下している。これらが全て地球温暖化で説明できるようには思えない。直射日光が強烈な西部では40度(100F)はそう珍しくない。


 有名な「死の谷」では車を停車してエアコンを切ったら最後、気温は50度になる。気温もさることながら輻射熱が問題である。乾燥しているので体感温度はさほどでないが恐ろしい勢いで体の水分が蒸発していくので、水分を補給し続けないと生命にかかわる。

 


 猛暑が続いているのは北半球で一般的にみられる。スペイン、欧州、インドでも猛暑の被害が報告されており、インドでは数千人が犠牲となった。また感想のためカリフォルニアの山火事は収まる気配がない。気象予報で局所的な天気の変化は説明できても、このように地球規模の明らかな異常気象については、憶測の域をでない。とにかくなんでも地球温暖化のせいにして、温室効果ガス削減で解決できると思わない方がよい。ネットには地球温暖化で熱波を説明しようとするサイトが溢れているが、根拠はない。


 猛暑になれば地球温暖化の結果だといい、酷寒になれば氷河期のせいだというのは都合が良い説明だが、地球が太陽から受け取る熱エネルギーを疑いたくなる。猛暑について地球温暖化によるとする意見が多い中で、気象庁の表現は微妙だが当を得ている。(少し古くなるが)「2004年の夏の暑さ(注1)は、地球温暖化の影響を受けてはいるものの、それですべてが説明できるわけではありません。地球温暖化による気温の上昇の度合いは、年々の変動よりも小さく、地球温暖化の影響を見極めるためには、数十年の長期的な観点で捉えることが重要です。」


(注1)山梨県甲府市で国内史上2位の40.4℃(7月21日)、東京大手町で観測史上最高の39.5℃(7月20日)を記録した。そのほか、35℃以上の酷暑日(7月)は京都市で17日、埼玉県熊谷市で16日、大阪市で14日など平年の2〜4倍だった。その後、8月中旬まで暑さは衰えず、東京の真夏日は過去最長の40日連続となった。(気象人より転載)



太陽活動の長期的周期やその結果としてのオゾン層への影響を考慮すれば、100年で0.8度の気温上昇温暖化を切り出して、地球温暖化と断言することの無意味さが理解できる。


乾燥した空気は大火事発生につながるが、干ばつの影響で貯水池が記録的な低水位であったカリフォルニアで現実となった。カリフォルニア南部のサンバナデイーノの山火事により車20台が炎上した。これとは別に同州北部のサクラメント近くで大規模な山火事が起こり、消火がほとんどできていない。これにより住民1万2千人に避難勧告が出された。カリフォルニア州北部の山火事は2日間で20件にのぼったため、州知事が非常事態宣言を出した。



Photo: NASA Earth Observatory 


 上の図をみると確かに100年で0.8度上昇という傾向はわかるが、記録的酷暑は局所的ではあるが0.8度を大きく上回る。NASAによればミニ氷河期の下がる傾向と温室効果による上がる傾向は驚くほど拮抗していて、わずかな両者の差を我々は体感しているらしい。(下の図)

Photo: NASA Earth Observatory 


しかしこの先の予測が困難でモデルに依存して急激に上昇するいわゆるWorst Case Scenarioや、それほどでもない予測があり、どのような結末を迎えるか誰にもわからないところが怖い。ここでいう気温は地上の温度なので、上空にいけばもちろん温度は低くなる。