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今年になって、世界的な金融危機が起きると警告を発している投資家、経済学者、金融機関が増えている。カール・アイカーン、新債券王ことジェフリー・ガンドラック、世界最大のヘッジファンドのレイ・ダリオ、ジョージ・ソロスに続き、投資家ジム・ロジャーズが2016年か2017年に世界的な金融危機の津波が起きると警告を発した。
ウォールストリート・デイリーとのインタビューで、ジム・ロジャーズ氏は警告を発した。次の金融危機は大変に厳しいものとなると警告、その損失額は68兆ドル以上となると指摘した。2008年のリーマン・ショックは11兆ドル以上の損失をもたらしたので、ロジャーズ氏が指摘する損失額の規模はこれまでとないものとなる。
金融危機の津波
2014年後半から始まった株式市場の下降傾向は止まっておらず、連邦準備制度(FRB)が指摘する米国の「景気回復」は金融緩和策と債務の拡大の結果であり、実態の経済状況を反映していないと述べている。株式市場の暴落は必ず起きるとみている。
次の金融危機の津波は世界的規模で全ての国が影響を受けるとしている。ロジャーズ氏は米国のS&P500は50~80%下落、7,000以上の金融機関が倒産すると予測している。「今の金融システムは崩壊、さらに、既存の政治体制、政府、文化や習慣、文化施設、病院や公共施設などがなくなり、国家の破綻や存続危機が起きことになる。」と深刻なシナリオを描いている。
ジム・ロジャーズ氏の過去の予測
ジム・ロジャーズ氏はこれまで数々の予測を出してきた。1970年代には、商品市場の強気相場を予測、10年間で 3365%のリターンを得た。1999年には商品価格の上昇を予測、特に原油、銅、ウランなどの価格上昇で利益をだした。2006年には不動産価格の上昇に注目、連邦住宅抵当公庫のファニーメイと連邦住宅金融抵当公庫のフレディーマックの株をリーマン・ショック前に売却した。中国の債務バブルの崩壊にも警告をだしている。