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蚊が媒介するジカ熱やデング熱ウイルス騒動がおさまらないうちに今度は新にアフリカで黄熱病が蔓延する危険性が指摘されている。しかもワクチン不足によってアフリカだけでなく世界中を巻き込む脅威が迫っている。WHOの専門家はアフリカと南アメリカで10億人の人に感染被害が出るとしており、アジアではパンデミックを引き起こすリスクがあるという。
一連の感染症が蚊で媒介されやすくなった背景には温暖化があるため、各国が協調して蚊が媒介する感染症に対応するべきだとしている。1986年からアンゴラは黄熱病が猛威を振るい250名の死者を出した。ペルーでも20件の感染報告があり、中国ではアンゴラから帰国した人が感染した。
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ワクチンで予防することで黄熱病は封じ込めることができる。しかし黄熱病のワクチンが世界的に不足しているためアフリカ、南アメリカ、アジアで大流行のリスクが高まっている。WHOはパンデミックに備えるために摂取量を減らす可能性がある。財源を流動化してワクチン在庫を増やすことが望まれている。
エボラ出血熱やジカ熱でWHOの初動が遅れたことで犠牲者が増えたことを反省して、緊急委員会が早急に対策を立てるべきだとの意見が多い。17世紀から黄熱病は南アフリカと南アメリカの海岸沿いで流行が確認されている。
ヨーロッパでは1730年と1821年に流行し、北アメリカでも1905年にニューオーリンズ、1878年にメンフイス、1793年にフイラデルフイアでも感染者が出ている。黄熱病の症状は初期には高熱であるが3-4日後に背骨の痛み、震え、吐き気を伴う。回復しても15%が再発するが、その際には目、鼻、胃から出血し半数が死にいたる。
1980年代からMARS、SARS、西ナイル病、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザなど新種の感染症が増えた一つの原因は温暖化で気温が上昇したためと考えられている。世界的なパンデミックには航空旅客数の増大が背景にある。
WHOはアンゴラに1,160万個のワクチンを届けたがさらに220万人分のワクチンが投入される。しかし流行が海岸沿いに限られた昔と異なり航空機の発達で一気に世界中が感染症ウイルスが拡散するリスクが高い。