Photo: Future Health Systems
サムスンがスマートコンタクトレンズの特許を申請した。スマートコンタクトレンズには超小型のデイスプレイ、カメラ、アンテナ、センサーが含まれており、その一つは瞬きを入力デバイスとして用いるために使われる。これまでのグーグルグラスのように投影装置なしでコンタクトレンズ装着者が映像を見ることができるようになる。
例えばスマートフォンなどの外部機器の出力映像を眼鏡やスクリーンなしに見ることができる。画質はこれまでに実現されているスマートグラスと同等だが、違和感なしに外部機器の情報を見ることができる一方で、隠しカメラとしても使えるので個人情報保護の問題も抱えている。
また同様のコンタクトレンズはグーグル社も開発(http://japanese.engadget.com/2014/07/15/google-smart-lens/)を進めているが、サムスンの特許申請は2014年から始まっており、本腰を入れた研究体制がうかがえる。古い特許はしかしスマートコンタクトレンズの概念的なものであるが、サムスン、グーグルが力を入れて開発にしのぎを削るデバイスとは一体どのようなものなのだろうか。
サムスンのスマートコンタクトレンズはウエアラブル端末の映像によりリアリテイを持たせるために開発をしているとみられる。ウエアラブル端末は装着すると邪魔になる。そのためスポーツ時には運動の妨げとなり、装着していることを知られる。サムスンとグーグル社はコンタクトレンズが眼球が直接映像を見る違和感のない投影と撮影を他人に知られないような機能の実現を目指している。
mage: Patent Bolt
グーグル社はコンタクトレンズに組み込むことのできるフレキシブル電子回路と涙センサーに関する2件の特許を所有している。後者は血糖値を涙で測定するためのもので糖尿病などの治療に使うことができる。
構造的には周囲に電子回路やセンサー、バッテリーなどが並ぶので装着した際に多少の違和感は残るが、慣れればほとんど気にならなくなるだろう。自画撮理で周囲に迷惑をかけたり、運動時の危険な撮影機材もなくなれば体験した映像をそのまま記録することができるようになることで、新しい入出力デバイスを手に入れることになる。しかし盗撮が横行し社会が混乱する恐れや発育途上の未成年者の使用など、問題も想定する必要もありそうだ。