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Xboxがデビューして一時はPS、Wiiと並んで三強時代を築いたがマイクロソフトは10年の歴史に幕を引くことになった。格闘技系のゲームソフトやKinect系スポーツゲームソフトで日本勢と差別化をはかったXboxは独自のゲーマーの支持を得て、マイクロソフトの収益に貢献してきた。
2015年11月で10年めの節目を迎えたXboxは生産終了で11年めを迎えることはなかった。細かい改良は施されてきたがさすがに10年でハードの陳腐化は隠せなかった。マイクロソフト社は今後も在庫の販売とサポートは続けるとしている。
Xboxを持っているユーザーはXboxライブと呼ばれるオンラインゲーム・サービスとオフラインの旧ゲームソフトを使い続けることができる。Xboxは2005年の発売以来、8,000万台の販売を達成した。初期型のXbox 360では、Kinnectセンサーにより人体の動きを入力した新感覚のゲームソフトで一世を風靡し、2013年に後期型のXbox oneに引き継がれた。
Xboxのゲームは格闘技及び戦闘シミュレーションが多いが、臨場感と展開の早さに一部のゲーマーを虜にした。ゲームソフトの指向性はゲーム機自身の販売動向にも強い影響を与えた。2002年間ではゲーム機市場は日本製が折檻していてゲームソフトも「ファイナルファンタジー」や「バイオハザード」など日本製のものであった。
しかし2005年にXboxが登場すると臨場感に溢れた戦闘シミュレーションの「コールオブヂューテイ」に代表される攻撃的な欧米人の嗜好性にマッチしたゲームソフトとXboxの勢いがPSやWiiといった日本製ゲーム機を駆逐して2010年にはシェアが落ち込んだ。
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そのXboxにも逆風に見舞われることとなった。スマホ、タブレットで動くゲームソフトが中心となり、高性能ハードウエアと高速ネットを必要とするヘビーゲーマーを別にすると、ユーザーの大半がハードウエア発売と一体となったポピュラーゲームソフトから離れた。
2014年度の世界市場での販売台数はPS4が2,239万台、Xbox oneは1,250万台、Wii Uが965万台となる。シェアはPS4、Xbox one、Wii Uの三強がトップだがXbox oneはPS4の半分程度でかつての勢いはない(http://jin115.com/archives/52082863.html)。
考えてみればPCからタブレット・スマホのモバイル機器に移行したようにゲームソフトも、ゲームアプリとWiFiの普及によって形態が大きく変化を遂げた。PCの販売台数はすでにタブレットに抜かれたが、タブレットもスマホも減速に入りつつある。マイクロソフトのXboxの後継機を開発しないとした決断は正解かもしれない。ゲームの潮流がコンソール型ゲーム機から離れたからである。