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熊本地震だけではない。48時間で世界各地で5回の大地震が立て続けに観測されたことで専門家の中には「メガ地震」と呼ばれる壊滅的な打撃をもたらす超大型地震の前兆と捉える人もいるほどである。コロラド大学の研究チームはM8.0以上の地震が少なくても4回起きる可能性を指摘している。
2016年に入って南米は異例とも言える多発する地震に襲われているが、専門家は太平洋を挟んだ対岸にある東アジア一帯での地震活動が今年に入って活発化していることに注目する。2015年のネパール地震は頻発した地震で8,000人の犠牲者を出した。始末が悪いことにもしM8.0クラスの地震が起きなければエネルギーがさらに蓄えられて、より大きい被害が出るという。
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熊本地震では震源地が移動し余震が多発して被害を拡大したが、最初の地震は本震ではなかったことが後にわかり、度重なる地震で建物の構造が弱体化して崩壊する家屋が増えた。一方、熊本に限らず東アジアと太平洋の地震活動も活発化している。
バヌアツでM6.5地震、フイリッピンのMインダナオ諸島でM5.9地震が観測されたほか、先週はミャンマーでM6.9地震が観測されている。このほか4月にはパキスタンでM6.6地震、ネパールでM4.2地震が観測されている。今年に入ってから中国とインドでそれぞれM6.1、M6.9の地震が観測されている。
これらの地震によって太平洋プレート境界の「リング・オブ・ファイヤー」の活性化が懸念されるが、それを裏付けるように南米エクアドルで4月17日にM7.4の地震が観測された。気象庁も「地震予知は不可能」というお決まりのコメントに続いて「大規模地震が発生する恐れがある」というこれまでにない表現で警戒を呼びかけている。明らかにコロラド大の予測結果を意識した発言と取れる。
「リング・オブ・ファイヤー」が活発化しているので、東アジアと南米太平洋岸に大規模な地震発生リスクが高まっている、というべきだが「国民がパニックに陥る」ことを考慮した微妙な表現となったが、「予測できない」としながら「起きる可能性がある」という矛盾したコメントの背景には熊本にとどまらないグローバルな地震活性化現象が存在している。