Photo: redstate
米下院情報委員会はロシアが2016年米大統領選でトランプ陣営と結託して、トランプ氏を当選させたとする「ロシアゲート」疑惑の調査を12日に打ち切った。複数の情報機関の疑惑は1年に渡る調査で検証されず、ロシア政府がトランプ氏を当選させたとする「ロシアとトランプ陣営が結託」したとする証拠は見つからなかったとの結論をだした。
検証できないロシアゲート
上院情報委員会でも続いている調査とムラー特別検察官の捜査は、同じように証拠は得られていない状況にある。そもそも、「ロシアゲート」疑惑の根源となったトランプ・ドシエは偽装の報告書で、それを元に調査が開始されたため、証拠がないのは当たり前ともいえる。FBIを含む複数の情報機関と司法省は偽装の報告書と知りながら、FISA令状を不正に取得し、乱用、トランプ陣営や一般市民の通信傍受を不正に行っていたことはFISA メモの公開で明らかとなった。
下院情報委員会のロシアとトランプ陣営の結託疑惑の調査は打ち切りとなったが、今後FBIと司法省の数々の不正行為に焦点を置く調査は継続される。さらに、FBIと司法省の調査を行うための2人目の特別検察官を任命するように下院情報委員会や下院監視委員会、複数の議員がセッションズ司法長官に要求している。世論も特別監察官の任命に支持が集まっている。
暴かれる不正行為
新たに特別検察官が任命される可能性は高く、実現すれば、2018年の中間選挙で民主党が勝利して、下院の過半数を取得しても、FBIと司法省への捜査が打ち切られることは避けられる。民主党にとって最も恐れていることは、オバマ政権がクリントン氏を大統領選で勝利させるために数々の不正行為を行ったこと、FBIと司法省の反トランプ勢力の不正行為、民主党全国委員会やクリントン陣営の不正行為やロシアとの関係、民主党議員とロシアの関係、汚職などが暴かれることである。今後の焦点はロシアゲート疑惑がどのように仕組まれたか、誰がどのような目的で仕掛けたかに移る。
関連記事
暴かれるアメリカ史上最大の権力乱用 〜Part 2 トランプ・ドシエ
暴かれるアメリカ史最大の権力乱用 Part 1 〜FISAメモ