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欧州議会は、Googleなどの巨大IT企業に強制力のあるEU著作権保護法案を可決した。賛否両論の渦巻く法案は一旦は否決されたものの438 対226で合意され、個々のEU加盟国が実施することになる。
EU著作権保護法案の最も重要な部分は、第11条と第13条である。第11条は、GoogleのようなIT企業がコンテンツにリンクし、有料ライセンスを要求できるようになったときに、出版者が収益を上げることを意図している。第13条では、YouTubeやFacebookのような特定のプラットフォームでは、無許可の著作物を共有するユーザーコンテンツを強制停止できる。
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EUの著作権保護法案とは
法案の目的は、ニュース配信者の収益拡大と、Googleが所有するYoutubeやFacebookなどのテクノロジー・プラットフォーム上の著作権のないコンテンツに対する取り締まりであった。しかしインターネット・ミームはSNSで情報共有・拡散の核心となるメカニズムで、禁止すればSNSは存在意味を失い消滅に繋がる。
メディア企業の収益性を損なう無料のオンラインニュースの台頭を背景に、AFPを含む主要な出版社は、第11条として知られるニュースメディア改革を推進している。しかしそれをインターネットで著作権のないコンテンツにリンクをはる行為に課金する「リンク税」と呼び強く反対するネットユーザーも多い。
ユーザーがウェブ上に置いた著作権で保護されたコンテンツについて、オンラインプラットフォームに法的責任を負うようにする提案、第13条の反対派は、基本的な権利、通常のインターネットユーザー、および人工知能の分野におけるEUの知的財産保護が後退するとして強く批判している。
表面化するEUと米国の対立
EU著作権保護法案は個人情報保護の大義名分のもとに結局、巨大IT企業から税金収入を得る手段化し、その裏では個人情報を監視する名目を与えたとする批判は今後も続くものと思われる。ただしこの法案はEUに限定されるため米国内には適用されない。
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