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ブレクジットの直接的な影響として英国のEUへの科学技術協力に多大な影響が懸念されていたが、ドイツがEUのガリレオ衛星計画から英国排除を排除しようとしたことで、EUとフランスに溝ができている。
ドイツ側に立つ欧州委員会の官僚たちは、EUのガリレオ衛星プロジェクト(欧州版GPS測位システム)のこから英国を除外しようとしている。しかしこれに対してフランスの当局者は、ブレクジット後といっても、もともと軍用のGPSシステムから英国を排除する提案に不満を抱いている。英国と連携して欧州委員会当局を相手にフランスを擁護している他の国には、スペイン、スウェーデン、オランダ、バルト諸国が含まれる。
欧州委員会トップのマーティン・セルマイ氏は4月に英国の大使であるティム・バロー氏に、突然ガリレオへ計画への英国の参画を終了すると伝えた。英国の閣僚は、木曜日に、EUがガリレオ計画予算の約12%に相当する10億ユーロ返済を要求している。タイムズによれば、完全に脱退する場合、英国資金の払い戻しが必要になり、計画の資金調達に大打撃となる。
同時に英国が衛星システムの制御コードにアクセスすることができなくなる。これは、EU版GPSの軍事機能の停止権がEU(欧州委員会)に支配されることを意味し、EU加盟国で安全保障上の脅威となると考えるフランスやスペインとドイツよりの立場をとる欧州員会当局とで意見が分かれ、EU内が一枚岩でなくなってきた。もともとGPSシステムは軍用で位置情報に誤差をいれてダングレードした情報を民間は使っている。本質的にはこの軍用民間共用システムに問題があるが、それが露呈することになった。なお日本も独自にGPSシステムの構築を始めている。