ソロスが中米移民キャラバンを支援する理由

08.11.2018

Photo: DML News

 

 ドイツだけでなく欧州自体の弱体化につながった欧州への大量移民の流入に際して、人道主義を名目に移民を先進国に移動させようとする特定の支援団体の物質的、金銭的援助が大きく関わっている。今回の中米移民キャラバンにもジョージ・ソロスのオープンソサエティ財団や一部企業が支援している。

 

 中米キャラバン(注1)はプエブロ・シン・フロンテラスと呼ばれるグループによって組織されているが、組織の名前CARAはカトリック法的移民ネットワーク(CLIN)、アメリカ入国審議会(AIC)、 難民と移民の法的サービス支援センター(RICELS)とアメリカ移民弁護士協会(AILA)(注2)の頭文字をとっている。 これらの4団体のうち少なくとも3団体は、ジョージ・ソロスのオープンソサエティ財団によって資金提供されている。

 

 中米移民キャラバンをメキシコ経由で財政的に支援している他の団体には、フォード財団、カーネギー・コーポレーション、マッカーサー財団が含まれており、社会主義化の活動とこれらの企業とソロス系財団の支援に深く関わっているとされる。CNS Newsが、ジョージ・ソロスは100万ドル以上を国家進歩基金を通じて支援を行なっていることを伝えるなど、ソロスと急進的な移民運動団体の財政的、政治的関係が明らかになっている。

 

(注1)米国務長官のニールセン氏は、国境を守ることができない主権国家は崩壊するとして、米国移民法を守り、サンディエゴに拘束された移民キャラバンを監視することを明言した。キャラバン移民が不法に国内に侵入した場合、既存の法律に従って違法入国訴追が行われる。亡命希望者は拘留され、その申し立てが許可されない者は速やかに米国から撤去されるとしている。

 

(注2)ソロスの影響下にある元AILA会長のビクター・ニーバラス・プラダス氏は、不法に米国に侵入した母親とその子供を拘留することは、不公平であると主張している。またAILAも、「家族を求める亡命者には迅速かつ適切な手続きが与えられなければならず、家族は拘束されてはならないとしている。

 

 2016年9月20日に、移民と難民の生命を脅かす状況を打開するという大義名分のもと、ソロスは最大5億ドルを支援すると約束した。スペイン語の「国境のない人々」という意味の「プエブロ・シン・フロンテラス」という名前は、3月に開かれた米国の国境への中米移民キャラバン集会で確認された「国境を廃止する」というグループの目的に由来している。したがって移民キャラバンは政治的活動であり、人道主義とは異なる政治資金提供とみなすべきである。

 

ソロス主導の人口移動理念

 ソロスは、世界の人口移動のために、過去数10億ドルを支援に投入してきたが去年の秋、さらにオープンソサエティ財団に180億ドルを譲渡した。世界銀行のデータによると、この金額は、アフガニスタンの国内総生産(GDP)とほぼ等しい(ウオールストリートジャーナル)。これは人道主義を隠れ蓑にした89歳のソロスの不動産税を避けるための手段とする見方もできる。

 

 米国国境にある反トランプ組織も、保守派や聖書的価値観を攻撃してきた長い歴史を持つソロスの資金提供を受けている。またソロスは米国で、”Black Lives Matter”の運動資金とオープンボーダーの活動家に財団を通じて資金を提供してきた。2016年にソロスは慈善活動の支援を続ける自分自身を「ある種の神」とみなしていると公言している。

 

 ソロスは左翼系オープンソーシャル基金(アルバニア)にも資金援助しイスラエル、イタリア、ハンガリーに進出する予定の多数の「難民」は、ソロスの財政的支援を受けて移民プログラムを通じて資金提供されている。ソロスは自分を神と信じて人道的立場で貧しい移民希望者に救済の手を差し伸べているのか、慈善家の仮面をかぶり税金逃れの手段とする偽善者なのか、それとも(かつてロシア革命を資本家が支援したように)、ボーダーレス化で現政権を転覆させ社会主義化を狙っているのかを慎重に見極めなくてはならない。ハンガリー系ユダヤ人のソロスは自身を「国境なき政治家」と称し、私財をなげうって理念の実現を目指しているが、慈善活動が虚像であることが明らかになりつつあるからだ。

 

 

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