Photo: buzzdailystar
ハンガリー総選挙ではオルバン政権の反移民政策が圧倒的な国民の支持を得てオルバン氏は4月8日に3選を果たした。フィデス=ハンガリー市民同盟とキリスト教民主党は84.7%の議席を得て、199議席の133議席を手中にした。第2党は極右勢力のJobbik党、第3党は社会党主導の左派連立政権は20議席となった。
注目すべき点は野党勢力が国連、EU、ジョージ・ソロスの援助を受けて移民政策の変更を目指して反オルバン氏キャンペーンを展開していたが、国営放送をはじめメデイアが移民受入でハンガリーの被る不利益を強調して報道したこともあり、国民の反移民政策支持を崩すことができなかったことである。
野党は選挙戦術を駆使して議席獲得に務めたが、前回の2014年総選挙を上回る支持で議席数で野党を圧倒した。
ハンガリーのセルビアとの国境からシリア難民が徒歩でハンガリーに入国できる唯一のルートであるが、オルバン首相率いるハンガリー政府は線路をフェンスで閉鎖し難民の入国を拒んだ。欧州のトランプ大統領と呼ばれるオルバン首相はメルケル政権と真っ向から対立し、難民の受け入れ割り当て政策は受け入れられないとして拒否している。EUの難民割り当て計画は加盟国が妥当な数の難民を受け入れることと全体で20,000人の難民をさらに受け入れるとしていた。
ドイツ連邦議会総選挙で「反移民」のAfDが大きく支持率を上げたように、移民政策の変更がない限り、欧州市民の反移民意識が拡大するのは避けられない。しかしジョージ・ソロスがハンガリー野党を支援した。今回のハンガリー総選挙ではこうした国外勢力の試みは失敗に終わったが、移民政策の背景にある利権構造に目を向けなければならないだろう。
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