放置される数千台のテスラモデル3の謎

25.07.2018

Photo: money.cnn

 

テスラ社マスクCEOはTwitterで、念願だった週あたり5,000台の量産型モデル3生産目標を達成したこと、および高額なモデルS、Xも合わせて2,000台のラインに乗ったことで、週あたり7,000台の生産規模を超えたことを認めた。数千台のモデ3が納車されずに放置されている事実が明らかになり、マスクCEOが出荷台数でなく工場ゲートを越えた台数と表現したこともあり、謎の大量放置が話題となっている。

 

テスラ社は年間50万台の生産を実現するため手狭になったフレモントの本社工場以外に拡張用の敷地を所有しているが、その中の一つであるランスロップ地区の駐車場に完成したばかりのモデル3を大量に(ランスロップだけで2,000台)放置していることが明らかになった。

 

テスラEVに関心のある人々が実際に現地で動画をアップしている。中には自家用飛行機で空中撮影までする者も現れた。ランスロップ以外にもバーバンク地区に4,000台が確認されたことで、納期遅れにも関わらずテスラ社が意識的に数千台ものモデル3を野晒しに放置している事実が明らかになっている。

 

輸送・納車能力の問題か

週に2,000台の車を生産していたとき、テスラは工場周辺の駐車場を積載エリアとして車を放置することなく出荷することができた。生産率が上昇するにつれて、出荷能力不足になり、週に7,000台ペースに追いついていない可能性がある。工場の生産能力と輸送・納車能力のギャップに問題があるならば、一時的に工場外に輸送まで保管せざるを得ないことは理解できる。

 

しかし一方ではずさんな販売計画として批判も多い。テスラ社にとっては納車実績を上げることしか信頼性を回復する道はないようだ。日本の国内自動車メーカーでも工場に近い住民は工場内に売れない車が大量に放置されていることを知っている。専門家の分析ではモデル3の注文数の24%はキャンセルされたとしている。テスラ社がモデル3の過剰生産でないことを証明するには、輸送能力をあげて放置車両をなくすことしか残されていない。