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3月のイタリア総選挙で反EUとEUに懐疑的な立場をとる振興政党が勝利してから2カ月以上の政治空白がつづいている。当初から両党の間で隔たりがあり、フォルツァ・イタリアを率いるベルルスコーニ氏が連立の障害となっていた。ここに来てベルルスコーニ氏の了承と五つ星運動の歩み寄りで、中道右派連合と五つ星運動は13日に連立合意に達し、今週中にも新政権が発足する可能性が高まっている。
国民支持率を維持している両党
新政権の発足が困難だった両党だが、イタリア国民からの支持率はなおも高く、これまでの既存の政党への支持率を大きく上回っている。最新の世論調査(Ixe PollやTecne Poll)による政党支持率は、五つ星運動はトップの32%に続き、中道右派連合の北部同盟は22%と23%であった。
両党合わせると、支持率は54~55%で、民主党が中心の前政権の中道左派連合は21.7%であった。明らかにイタリアの政党勢力は大きく変わり、ポビュリズム、反EUの流れは主流となり、既存政治体制が崩れたことを示している。
次の首相候補として、北部同盟のサルビーニ氏が最も高い支持の37%で、五つ星運動のディマイオ氏は32%、ベルルスコーニ氏は22%であった(下の表)。
Credit: termometropolitico.it
連立政権のEU対立政策
連立協議で両党が合意に達した政策は、現移民政策の見直し、失業者を対象とするベーシック・インカム制度の導入、法人税・所得税の減税(一律に15%に下げる)、予定していた消費税の引き上げの中止、2011年の年金改革の修正と最もEUを今後揺るがすこととなるパラレル通貨の導入である。
全ての政策はEUが進めている財政改革に反するもので、政策が実施されれば、イタリアの財政は悪化して、より深刻な状況になっていくことは避けられない。また、EU圏でありながら、ユーロ以外の独自通貨を発行、使用することは、EU条約に反することから、今後EUとの対立はより深刻化していくことになる。
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