Photo: asc.army.mil
4月初旬に予定されている米韓の軍事演習で再び朝鮮半島が緊張に戻ってくる。米国は軍事演習に先立ってオリンピック明けに、斬首作戦に用いる攻撃型ドローン「グレイイーグル」(Gray Eagle/MQ-1C)12機をグンサン空軍基地に配備する。
グレイイーグルは無人攻撃ドローンMQ-1プレデイターの改良型で、よく幅17m、全長8mで最大速度280km/hで30時間飛行できる。グレイイーグルはプレデイター同様に、高度7600mから半径400kmの地表の偵察と攻撃ミッションをこなす攻撃型ドローンである。ドローン12機と地上誘導ステーション5箇所でシステムを構成する。
グレイイーグルはヘルファイヤー対戦車ミサイル4発あるいはバイパーストライクGBU-44/B精密誘導爆弾(注1)で目標(金正恩、ミサイル発射サイト、移動式ミサイル発射機)を攻撃することができる。バイパーストライクは20kgと軽量だが、移動体に対して精度の高い(誤差1m)GPS/レーザー誘導ピンポイント攻撃ができる。
(注1)GPS中間誘導とレーザー終末誘導を組み合わせた精密誘導システムで1kg弾頭を誤差1m以下で目標に打ち込む。
中国外務省は昨年、米国のグレイイーグル配備に強く反撥し、緊張を拡大すると警告していた。というのも攻撃型ドローンは高空からの偵察任務もこなすことができるので、グンサン基地から400km以内には中国領土が含まれるためである。中国が警戒する理由はグレイイーグルが先端部に合成開口レーダーと電子光学カメラ、赤外線センサーを備え、高度な偵察機能を有するからである。長時間の滞空能力と静音性で中国国境沿いに展開した中国軍の動向が監視されることになる。