米国で最も住みたくない都市トップ50

06.06.2018

Photo: runt-of-the-web

 

米国は生活する場所によって、生活の質に相当な格差がある。 米国のいくつかの都市では、快適さと幸福の追求が困難な場合があるが、環境の悪さランキングの上位の都市の犯罪率とそれを生み出す貧困度が想像を絶する。

 

生活の質は主観的であり、評価が難しいが、定量化可能な要素はある。 手頃な価格、安全性、雇用市場の強さ、教育の質、インフラ充実度、平均通勤時間、大気の質、文化的魅力などは、生活の質に影響を与える要因の一例である。

 

ウォールストリート24/7、犯罪、経済、教育、環境、健康、住宅、インフラ、レジャーの8つのカテゴリーで指標を作成し、全米で最悪の50都市をランキングした。 最悪の都市は南から中西部にかけて、またニューイングランドから太平洋沿岸にかけて広がっているが、ここではトップ3を紹介する。

 

1.デトロイト、ミシガン州

人口:672,829

平均的な家の価値:43,500ドル

貧困率:35.7

学士号を取得した人口:14.9

 

人口が減少し、市民が非常に貧しいため、ミシガン州デトロイトは、この国で最悪の都市としてトップにリストアップされた。1950年代のピークには、180万人の住民が住んでいたが、現在では70万人にまで減少した。デトロイトの住民3人に1人が貧困線以下の生活を送っている。

また、2016年の住民10万人あたり2,000件以上の暴力犯罪があり、有名な危険にさらされている。

 

2.フリント、ミシガン州

人口:97,379

平均的な家の価格:28,200ドル

貧困率:44.5

学士号を持つ人口:10.5

 

フリントは、この地域の深刻な貧困が原因で、米国で第2位の最悪都市にランクされた。人口のほぼ45%が貧困線以下の生活を送っている。これは、全国の都市の中で最も高い数値である。フリントの失業率は約10%。 犯罪率が高いため、事業を運営することが難しく、市民の10.5%しか学士号を取得していないため、教育を受けていない(単純労働者)雇用がほとんどである。

 

3.ミズーリ州セントルイス

人口:311,404

平均的な家の価格:125,800 ドル

貧困率:23.8

学士号を持つ人口:34.1

 

セントルイスは、暴力犯罪が都市のランキングの主要な要因である。同市には、2016年に10万人に1932件の暴力犯罪があり、全国の3番目の都市であり、全国平均の犯罪率の5倍である。

 

同市は非常に貧しく、住民の約24%が貧困線以下の生活を送っている。セントルイスでも過去10年間で11.2%の減少で、人口の大幅な減少が見られている。

 

 

以下、この最悪都市ランキングは50位のソルトレークシテイまで続くが、巨大都市だけでなく全体的に都市部の貧困化と犯罪率の増加傾向は隠せない。犯罪率が高いのは製造業の空洞化で中産階級が崩壊した地域や都市である。米国の犯罪都市に上昇傾向が続いていることは米国の社会構造の変化によるものである。トランプ大統領が製造業の復活を重視するのは、米国の中南米都市化を食い止めることにあるが、ここまで格差が深刻化してしまうと1政権で済む問題ではない。トランプ政権の「アメリカファースト」の掛け声で、GDP成長率も増加傾向がみられるがここまで都市部が貧困化すると復興への道のりは遠い

 

 

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