2段階電気化学還元でCO2から燃料製造

26.09.2018

Credit: Nature Catalysis

 

デラウェア州立大学触媒科学技術センターの研究チームは、二酸化炭素(CO2)の電気分解効率を上げるための新たな2段階プロセスを発見した。これによって空気中のCO2を還元して液体燃料製造技術の実用化につながると期待されている(Jouny et al., Nature Catalysis online Aug. 20, 2018)。

 

研究チームは、電気を使ってCO2をより小さな炭素分子に還元する電解セルを開発した。電力で商業的な化学物質や燃料を製造する化学プロセスは環境に優しい。CO2を還元できれば、プラスチックの製造に使用されるエチレンやエタノールが製造できる。研究チームが開発した新しい電気分解技術は、高い反応速度と選択性を持つことが特徴である。

 

研究チームは二酸化炭素を還元するため、二酸化炭素を一酸化炭素(CO)に還元し、さらに二酸化炭素を多価(C2+)生成物に還元するという2段階に分けた。 2電子還元プロセスを2つのステップに分けることで、直接的な電気分解よりも炭素化合物の選択性がはるかに高くなり、C2+生成物のファラデー効率91%、電流密度630mAcm-1以上を達成した。

 

上図に示すように空気中のCO2から最初のプロセスで還元されたCOが電解質中のOH-イオンと触媒(Cu)で接する3相共存状態をつくることが鍵となる。

 

この技術で空気中のCO2の還元で液体燃料の製造が可能になればカーボンニュートラル社会への転換が加速すると期待されている。

 

 

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