ロッキード・マーチン社が提案する深宇宙飛行居住モジュール

20.08.2018

Photo: NASA/Lockeed Martin

 

近未来人類は巨大な円筒形の宇宙船で、4人の宇宙飛行士を収容し、深宇宙へ送り込むことになる。ロッキード・マーチン社は、NASAとの契約に基づいた深宇宙飛行の宇宙飛行士の居住区モデルをケネディ宇宙センターで公開した。

 

ロッキードはNASAと契約しているボーイング、シエラネバダ社などの宇宙開発企業6社のうちの1社で、NASAは居住空間のプロトタイプ製作に6,500万ドルを拠出した。ロッキード社の提案は、かつて国際宇宙ステーションに貨物輸送するモジュール(ドナテロ多目的物流モジュール)を使用している。

 

幅約15フィート、長さ約22フィートの円筒形のカプセルは、おおよそ小さなバスといった空間を提供する。しかし、4人の宇宙飛行士が30日から60日間居住することができるように工夫されている。

 

カプセルは、科学、生命維持システム、睡眠ステーション、運動マシン、ロボットワークステーション用のラックを収容する。開発チームはVRヘッドセットを使用してプロトタイプ居住区のシミュレーションを行った。

 

ロッキード社は開発コスト節約と開発期間短縮のためにドナテッロの再利用を採用した。NASAは深宇宙探査任務のため、強力なロケットで開発が進むオリオン宇宙船を打ち上げ居住モジュールは、月周回軌道をまわる深宇宙ゲートウエイに接続される。

 

450トンの国際宇宙ステーションよりもかなり小さい75トンのゲートウエイには、居住空間モジュール、エアロック、推進モジュール、ドッキング・ポート、および電源バスが含まれる。

 

NASAは無人ミッション1で2020年中頃にオリオン宇宙船を月軌道に乗せる予定で、探査ミッション2は2022年に軌道を回る有人ミッションとなる。火星への1,000日間の旅を皮切りに人類が初めて深宇宙に送り込まれる。

 

ロッキード社の居住モジュールの完成を前に来月、欧州宇宙局(ESA)は、宇宙船が宇宙発射システムに組み込まれる前に、オリオンの乗組員モジュールに取り付けられる欧州のサービスモジュールを製作する。

 

 

Credit: NASA

 

アポロ計画は米国の威信をかけた米国のプロジェクトであったが、深宇宙探索の実施を米国のみでできる時代は過去のものとなった。NASAは欧州宇宙局と分担し、主要コンポーネントの開発を国内民間企業に分担させることになった。背景には、スペースX社をはじめとする宇宙ビジネスの台頭が背景にある。深宇宙探索の試みには依然として技術的、生命維持面で多くのリスクを抱えるが、それでも人類が多惑星生命体となることの真の価値は予想がつかない。

 

 

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