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ネットパワー社(NET Power.LLC)は最近、カーボンキャプチャ技術を使用することなく、炭素排出のない新しい種類の天然ガス発電所のガスタービンの試運転に成功した。テキサス州ラ・ポルに設置された新型火力発電所は、東芝が開発した超臨界CO2サイクル発電システムで、化石燃料を用いながらゼロエミッションで発電することが可能であることを実証した。
このシステムは発明者の名前をとってアラム・サイクル(注1)と呼ばれている。アラム・サイクルでは、発電のほかに排出されるのは水だけで、7段階のプロセスでゼロエミッションを達成する。また、天然ガスの抽出などの他の用途に使用できる。
全7段階のプロセスは、酸素を空気から取り入れ、燃焼器に送るプロセスから始まる。燃焼器では、天然ガスは酸素と混合され、超臨界二酸化炭素で加熱される。高温のCO2は小型のタービンを駆動すると同時に、熱交換器は、タービンによって放出された高温排気からエネルギーを回収、それをプロセスの後半でCO 2を加熱するために使用する。
次のステップでは、CO2を冷却して圧縮する。その後、約5%のCO2が抽出され、販売可能な形で保管される。最後のステップでは、燃焼器に戻す前にステップ4のエネルギーを利用してCO2を加熱する。
NET Powerは、新しい発電所は、従来の天然ガス火力発電所よりも建設費や運営費が低いとしている。試運転後、燃焼器をタービンが結合されて発電事業が開始される。