九州の霧島と姶良で証明された活火山同士の関係性

16.07.2018

Photo: marygreeley

 

活発化する日本の火山活動だが、気象庁の複数の火山爆発に関連性がないといういたって冷静な発表の一方で、マイアミ大学研究チームは、九州南部の火山活動の急激な変化は火山22km(13.7マイル)離れた火山同士の関係性を初めて確認した。 2つの火山(姶良カルデラと霧島)の観測によると、2011年に霧島の噴火に至る数ヶ月間に共通の地下マグマ供給源を介して2つが結ばれたことが示された。(Brothelande et al., Scientific Reports, 8: 9811, 2018

 

霧島と鹿児島の活火山は、最も活発で有害な噴煙・ガスを放出している。これらは姶良カルデラの協会に沿って存在している。火山がどのように相互作用するかを特定することは、噴火が遠方の火山の活動に影響するかどうか、またどのように影響を及ぼし、新しい強力な爆発事象の脅威を高めるかを決定する上で重要である。

 

マイアミ大学の研究チームは、2つの火山を結ぶ共通のマグマ溜まりの存在を確認するために、この地域の32の常設GPSステーションからの変形データを分析した。

 

姶良カルデラの挙動と矛盾する霧

人口密度の高い鹿児島地域に位置する霧島の噴火が観測されるまで、姶良カルデラは活動が停止し、火山が休息しているという兆候が現れていた。しかし、この新しい研究の結果は、霧島が活動を停止した直後に、霧島が噴火して再開している間、姶良のマグマ溜まりが一時的に収縮し始めたのとは反対の事象が起きたことを示している。

 

霧島の噴火の前後に、姶良の活動に大きな変化が見られた。この相互作用を説明する唯一の方法は、火山の2つのマグマシステムの間の相関で、表面に明確なつながりを持たない火山が、巨大なマグマシステムの一部である可能性があることを確認した最初の報告となる。

 

鍵となるマグマの関係性

これまでは、独立する火山同士のつながりの証拠はなかったが、姶良カルデラのような大規模な火山系では、マグマの経路が定期的に開閉するため、共通の深い貯留層から供給された場合、近くの火山でのより小さな噴火に結びつく。マグマの連続性は東南アジアの火山に特有であるか、世界中に広がっているのかどうかが今後の課題となる。

 

一貫して火山活動の関連性を否定し続けてきた固定概念は根本的に転換を迫られている。

 

Credit: Scientific Reports