Photo: pectrum.ieee
テスラ車の自動運転(正確には運転者支援)ソフト稼働中の相次ぐ事故はテスラEVのオートパイロットシステムの道路上の静止物体を無視する意識的なフイルタリング・アルゴリズムによるものである。テスラEVは自動運転をレーダーとカメラのみで行う。これまでもレーダーやカメラによる車間距離制御はクルージング機能に採用されてきたが、より詳細な全方位的情報はLiDARに頼らざるを得ない。Google車はLiDARを搭載していても事故を起こしたが、信頼性の高い情報が得られるLiDARシステムの市場投入が待たれていた。
このほど全固体LiDAR搭載の自動運転トラックが中国で発表された。搭載されているG Plusと呼ばれるLiDARシステムは自立型の自動運転車のキーテクノロジーになるとされる。LiDARシステムは主にレーザー、スキャナー、特殊GPS受信機で構成されている。G Plusの最大の特徴は、全自動運転車用に開発された全固体LiDARが初めて市場投入されたことである。G Plusによる走行は物流用のトラックで歩行者に優しい(危険のない)速度でパッケージや食べ物を運ぶことができる。
最大速度はたかだか10mphで、それでも、車や人が周りにいると6mphを少し上回る程度に減速される。G Plusには、前面に2つ、背面に1つのRS-LiDAR-M1Presが3台が装備される。
車両は、歩行者、車、トラックなどの形状、距離、方位角、移動速度、および進行方向から、および正確な走行領域を決める。複雑な道路環境ではスムーズな流れがあります。採用されているMEMSマイクロミラー走査方式では、マイクロミラーをスキャンするための数個のレーザエミッタとレシーバでMEMSマイクロミラーをスキャンする。
マイクロミラーはTI社が特許を持ちDLPなどプロジェクタに採用されている技術で、機械式回転部品をマイクロミラー構造に置き換えることで、レーザー部品が大幅に簡素化され、低コスト、量産性、自動車規格への適合性などのメリットをもたらす競争力のある製品になった。G Plusは現在、杭州の本社周辺の道路で無人車両をテストしており、2018年末までに無人車両の建設が開始される。
LiDARで強力なセンサを備えることになっても、残された問題は道路上に静止している物体への対処で、この問題が解決できない限り完全な自立運転はリスクフリーとはならない。
LiDARについては下記の関連記事を参照してほしい。
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