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9.11同時多発テロ事件から18年が経過した。この間に崩壊したワールドトレードセンター、第7ビル(WTC 7)の崩壊原因に関しての政府公式調査報告書と異なる学術論文が発表されている。今月9.11事件の18年記念日前に、公式発表の見解を否定する内容の学術論文が国際調査チームにより発表された。
2016年にカナダのマクマスター大学の調査チームは、WTC 1, 2が、ジェット機の衝突火災ではビル倒壊が起きないことを科学的に証明した。国立標準技術研究所(NIST)の公式見解は誤りで、WTC 7は明らかに爆発物で倒壊したことを調査結果とした。
WTC 7はジェット機の衝突もなく、2.5秒で完全に倒壊した。ただちにビルの残骸は撤去され、数週間後にはビルの残骸は完全に処分された。そのため、ビル倒壊の原因を探るための残骸の調査、科学的な分析などの現場検証ができなくなり、崩壊原因を特定するための十分な証拠調べが行われなった。これは政府の証拠隠滅行為ではないかとの多くの批判があがった。その後18年間もの間、多くの建築・土木専門家の間で倒壊原因に関わる議論が行われてきた。
今回の論文は、アラスカ大学のDr. Leroy Hulsey, 南京理工大学のDr. Feng Xiao, サウスカロライナ大学のDr. Zhilli
Quanで形成する国際調査チームが、4年かけて行った調査の結果を発表したものである。発表から2カ月は批判や意見を受け付けるレビュー期間とし、最終報告は11月又は12月に発表される見通しである。
明らかになった事実
2008年にNISTが発表した報告書では、WTC 7の完全崩壊の主因は「制御不能状態に陥った火災が主因」とした上で,「火災の発生により床を支えていた梁と柱の構造部分が耐え切れなくなったことが、建造物全体が完全崩壊へとつながる原因となった」とした。
「ワールドトレードセンター第7ビルの崩壊の構造的再評価」(A Structural Reevaluation of the Collapse of World Trade Center 7)と題した今回の論文では、「NISTの公式見解とは異なり、WTC 7の完全崩壊は火災が原因ではない。WTC
7の崩壊はビルの全ての柱が同時に崩れ落ちたことによる。このような柱が同時に崩壊するのは強制解体の方法しかない」と結論を出した。あらかじめ爆発物が仕掛けられ、強制解体によりビルが崩壊したとの見解であり、NISTの公式見解を完全に否定するものとなった。
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