重大な国際犯罪に対処する国際機関の欧州刑事警察機構(European Law Enforcement Cooperation: Europol)によると、各EU諸国の最重要指名手配犯の21人のうち18人は女性であることを公表、もはや重大犯罪には男性が多いとするこれまでの犯罪研究を覆すこととなった。
Europol は18日にCrime Has No
Gender(犯罪には性別はない)と題する指名手配犯に関する情報提供の協力を求めるキャンペーンを始めた。ウェブサイトでは女性は男性と同じように重大犯罪を起こせるのか?と疑問を投げかけ、その答えとしてEUで最重要指名手配犯の女性18人を紹介している。武器売買、麻薬売買、殺人、人身売買、恐喝、詐欺、組織的未成年の売春、組織的窃盗などの犯罪で指名手配されている女性たちである。
これまで女性に関する犯罪研究は被害者としてのものが多く、加害者としての研究は少なかった。しかし、近年女性による犯罪は、日本を含め多くの国で増加傾向にある。特に欧米における女性の組織的重大犯罪への関与が注目されている。そのため今後、女性の重大犯罪が増加している背景、男女の間で犯罪心理に違いがあるのか、またこれまでの重大犯罪対策が女性犯罪にも適応できるのかなどの犯罪研究が重要になってくる。