FRBのバランスシートが再び拡大

04.10.2019

 FRBのバランスシートは2008年の金融危機への対応のため、量的金融緩和をQE1~3と3度まで拡大した。その結果、1兆ドル弱であったFRBの保有資産はQEの終了時には約4.5兆ドルにまで膨れ上がった。

 

 その後、米景気の回復をもって2017年10月には方針転換。FRBは保有する米国債やモーゲージ債の償還金の再投資を停止することでバランスシートの縮小(量的引き締め: QT)を始めた。今年の9月末にバランスシートの縮小を終了すると表明したFRBだが、再び保有資産が拡大している。

 

 米セントルイス連銀が発表した最新のデータによると、8月28日に3兆7599億ドルまで縮小していたFRBの保有資産は、10月2日時点には3兆9458億ドルであった。9月11日からの3週間で1761億ドル、25日からの一週間で881億ドルの拡大をみせている。QE3の期間中、1カ月のバランスシート拡大は最大850億ドルであったことから、今回の拡大規模は大きい。この傾向が続くとすれば、年内にはQEの終了時の水準までFRBの保有資産は膨れ上がることになる。

 

 では、なぜFRBは非公式にバランスシートを拡大しているのか? この拡大はQE4の開始を意味するのか?、などの多くの疑問が生じる。