金融緩和策を続けなければならない中央銀行

09.12.2019

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 米国のFRB(連邦準備制度理事会)、欧州のECB(欧州中央銀行)、日銀、中国の中央銀行は2008年の世界金融危機以来、空前の規模で金融緩和政策を行ってきた。今では、各国の中央銀行は、さらなる緩和を求める市場の声に応え続けなければならない状況にまで追い込まれた。

 中央銀行による金融緩和策で市場に大量の資金を供給してきた結果、各中央銀行のバランスシートは拡大、市場は中央銀行の関与に依存するようになった。資産バブルを誘発、次なる金融危機を招く状況を作りだしたが、中央銀行はバブルの崩壊を恐れて永久に金融緩和策を続けなければならない状況にある。2020年は、これまで以上に各国の中央銀行が綿密に連携して金融緩和を続けていくことになるが、その間バブルはより大きく膨れ上がっていくことになる。

 2009年に8,980億ドルであったFRBのバランスシートは、2019年12月時点で4兆666億ドル、米GDP の18.8%にまで膨れ上がった。

 

 

 ECBは1.8兆ユーロから4.7兆ユーロ、バランスシートはユーロ圏GDPの41.6%に拡大した。

 

 

 日銀のバランスシートは116.3兆円から578.5兆円、日本のGDPの103.6%まで大幅に拡大した。