Photo: news.abs-cbn
英国は大気中のNOxによる健康被害を認め2040年にICE (Internal Conbustion Engine)と呼ばれる内燃機関の自動車販売を禁止するとともに燃料(デイーゼルとガソリン)販売を禁止する。
この決定はドイツ、フランスの同様な禁止措置に続くもので、長く続いていた法廷闘争に決着をつける形となる。英国政府によればICE区分にはハイブリッド車も含まれるが、(温暖化対策ではなく)大気汚染による健康被害を防ぐためのものだとしている。政府試算では毎年、大気汚染の健康被害がGDPの1%に当たる経済損失を生んでいる。
このため政府はCAZ(Clean Air Zone)と呼ぶ特別地域を設け、侵入する車に最終的には罰金を科す法律の制定を急ぐと同時に、都市部の大気を清浄にする対策費30億ポンドを投入する。
ただし7月末に決まる最終的な環境保護計画は環境保護団体の希望する抜本的な対策よりは緩和される見通しである。そのため、2040年の燃料販売禁止措置の前に政府は段階的な対策を講じる。EU基準を満足してこなかった公共交通機関(バス等)の排ガス対策や道路の改修が急がれる。このほかにもロンドンで行われているような排ガス違反者への罰金も全国的に採用すべきだとの意見がある。
ドイツのICE禁止措置
ドイツ連邦参議院は2030年までにICE搭載の車の販売を禁止する決議を可決している。ICE非搭載の区分けにはEVとFCVしか残らない。2030年以降、ICEは販売できないため新車はこのどちらかに限定される。この動きはEU全体に影響力があり、今後欧州からICE新車は消えることになる。
フランスのICE禁止措置
マクロン政権は2040年までにICE車の販売を禁止する方針を決めた。VWに端を発するデイーゼルゲートがルノー社にも波及するに及び、一度は2014年に奨励したデイーゼル車の奨励を失敗と認めてEVへの転換が加速される。
ボルボ社の決断
ボルボ社は2019年以降、EVもしくはHVしか販売しないことを宣言している。
経済産業省の調査はこうしたICE車が危いことにまるで鈍感で、「古き良き時代」のような感覚には呆れる。まるで遠い別世界のように考えているようだが、もうすぐ販売できなくなるすなわち輸出できなくなるのだ。今まさに「森」が動き始めているのである。
関連記事