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ノートPC(海外ではラップトップ)が米国内線の機内に持込なくなるニュースをBBCで筆者は5月13日に知った。もともと持込めても手荷物検査時にバッグから取り出して、規則によると「PC単体で」検査器を通さなければならない。これが面倒でチェックインバゲージにいれておく乗客は多い。持込めなかったPCは回収できるのか、没収なのか気になるところだが、国際線にも米国内規制を適用する可能性が高まった。
国土安全保障省長官のケリー前国務長官が米国への爆弾テロ対策として、イスラム系8カ国からの国際線で登場の際にノートPCの持ち込みを禁止している。国内線も禁止となったが、今度は他の国にも拡大しようするもの。2週間前に当局はEUからの便に対しては適用しないことを言明していたが、ケリー長官の発言でこれも守られない可能性がでてきた。
今回の措置は英国のマンチェスター・アリーナの爆弾テロを受けて、他に容疑者が製作した爆弾が流れた可能性に対応したものである。ケリー長官は情報収集を続けていて、場合によっては全国際線の手荷物にノートPCが禁止される可能性を示唆した。
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ここまでは報道されていることだが、筆者はノートPCだけではなく携帯電子機器全てに搭載されているリチウムイオンバッテリーが爆発火災の危険性が潜んでいることを指摘したい。リチウムイオンバッテリーの火災事故はボーイング787やサムスン製スマホの発火事故で明らかだが、薄い電極を仕切るセパレータの破損で爆発的な火災を起こす本質的な課題が解決されていない。
機内持ち込みを禁止しても発火すれば「爆弾」となる機器が荷物室に集中することになる。また筆者は米国内線搭乗時に検査官がiMacはノートPC、iPadはそうでないから、取り出す必要はない」と叫んでいたときに苦笑したことを思い出した。ノートPCのバッテリーに爆弾を仕込んでいるとしても、それが荷物室に移動するだけのことではないか。要するに手荷物もチェックインバゲージも透視技術と爆弾検査器を充実させた方がよっぽど効果がある。
この機会にノートPCを搭乗時に預かり降機時に返すサービスを提供するエアラインがあらわれたら人気がでるだろう。調べてみたらエミレーツ航空がすでに搭乗客にこのサービスを提供している。