Photo: brookings.edu
減少する政府歳入
米国経済の健全性の指標の一つ、12カ月移動平均でみる米国財務省歳入は6.6年ぶりの低い水準に達し、2008年7月のサブプライム住宅ローン危機前のような減少パターンをみせている。前年度比でみると、政府歳入は2013年から減少傾向にあり、マイナスとなったのは2017年4月で5カ月連続となる。
Source: US Treasury
12カ月移動平均で見た政府歳入の傾向
政府歳入の傾向を12カ月移動平均を前年度比でみた場合、1970年以来、プラスからマイナスに転じたときに、米国経済は景気後退入りしている。政府歳入の減少傾向は、個人所得や法人の収益が減少していること表しており、ゼロは景気後退への警告、マイナスは景気後退入りを示す重要な経済のバラメーターといえる。
Source: US Treasury
法人税収の減収
特に深刻化しているのは法人税による政府歳入の減少である。2016年12月には前年度比で11%減少、2009年の不況期以来の大幅減少となった。2017年に入っても減少の傾向は止まらず、企業の収益が改善する見通しはみえてこない。
Source: US Treasury
FRB説明と食い違う経済減速の実態
これらの傾向から読み取れる米国経済の減速はリーマンショック後の不況から回復、経済のファンダメンタルズは強く、景気は堅調であるとするFRBの主張と相容れないものである。
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