アタカマ砂漠に世界最大の反射望遠鏡の建設が始まる

13.06.2017

Photo: astronomynow.com

 

チリのアタカマ砂漠に140億光年の彼方を観測できる世界最大の反射望遠鏡(European Extremely Large Telescope, E-ELT)の建設が開始された。完成すればE-ETTは現在世界最大の反射望遠鏡の5倍の大きさとなる。

 

反射鏡の大きさは直径約39mで、直径85mの観測ドームに収容される。アタカマ砂漠は高地であり標高3,000mの地点に設置されるE-ELTは2014年から稼働開始が予定されている。

E-ELTの観測により新惑星の発見能力が格段に向上するとともに、その大気の分析が可能になるとみられている。このため地球に似た環境の惑星を発見し地球外生命体の確証を得ることも期待される。

 

アタカマ砂漠の乾燥した大気は地球上で最も光学望遠鏡観察に適しており、2020年までに世界中の70%の光学望遠鏡の観測設備が集中するとされている。E-ELTは欧州の南半球の天体観測を管轄する欧州南天文観測所(European Southern Observatory, ESO)の予算11億ドル(約1,200億円)に基づいて建設される。

 

 

Credit: eso.org

 

 

上に世界の主な反射望遠鏡の反射鏡の構造と寸法を比較した。E-ELTの巨大さが理解できる。研磨しやすいい798個の六角形の反射鏡が組み合わされ、光学系は5枚のミラーから構成されている。