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ウィキリークスの創始者のジュリアン・アサンジとの、これまで最もインパクトのあるインタービューが4日に公開された。そのなかで、アサンジ氏はトランプ氏の当選はない、クリントン氏が既存の「支配層体制を動かす歯車の歯」であることから、クリントン氏の当選は保証されていると指摘した。
ウィキリークスが10月16日に、投資銀行のゴードマン・サックスが主催したヒラリー・クリントン氏の非公開公演の内容を公表した直後に、ジュリアン・アサンジ氏のインターネット接続が切断された。「ある国(米国)により意図的に切断された」と報道された。それは、ジョン・ケリー国務長官がエクアドル大統領にウィキリークスを止めなければ、エクアドルは深刻な影響を受けると警告した数日後のことである。
ジュリアン・アサンジ氏はその後逮捕された、暗殺された、行方不明であるといった憶測が広がり、安否が不明となった。今回のジョン・ピルジャー氏とのインタービューでアサンジ氏の安否が確認された。
インタービューの内容
アサンジ氏はインタービューの中で以下を指摘した。
・ クリントン氏は支配層エリートのネットワークのなかで、歯車を動かす重要な歯の役割を果たしている。クリントン氏はゴードマン・サックスのような巨大銀行、ウォール街、エリート層、国務省、サウジアラビアなどを繋ぐさまざまな歯車を動かす役割にある。そうして、このネットワークに加わっている人たちがアメリカの支配層の代表である。
・ FBIの捜査再開は、国民にFBIが法の番人であることを示すためであった。ウィキリークスはクリントン氏が国務長官在任中の電子メール60,000通のうち半分の33,000通とポデスタ・メールを公表している。FBIに捜査を開始する圧力がかかる環境ができていた。
・ クリントンやポデスタに関するメールのリークにはロシアの関与はない。ウィキリークスは10年間で1000万件の情報を公開してきたが、一度も間違った情報を公開したことはない。
・ 米国の同盟国である中東湾岸諸国は、主にサウジアラビアとカタール政府はテロ組織イスラム国を支援してきた。2014年のメールによると、この同じ2カ国はクリントン財団に献金の名目で資金を提供している。国務長官在任中、クリントン氏は献金の見返り(pay to play:クリントン財団への献金で政治的便宣を受ける)にサウジアラビアに約8000万ドル以上の世界最大の武器輸出を許可した。国務長官在任中、米国の武器輸出は倍増した。
・ リビアはヒラリー・クリントン氏の戦争であった。クリントンメールの33,000通のうち1,700通以上はリビアに関するものである。カダフィー政権とリビアの転覆を国務長官の成果として、大統領選に優勢に立つことが目的であった。2011年の「リビア・ティクタック」と題する国務省内部書類に、リビア転覆を強行したのはクリントン氏で、関与詳細が書かれている。その結果、リビアでは4万人が死亡、政治の空洞化を作り、IS勢力が拡大できる環境をつくり、欧州での移民問題(特にアフリカ諸国からの移民)を作った。
・ トランプ氏の当選は許されない。トランプ氏は支配層エリート体制のメンバーではない。支配層である銀行、情報機関、大企業、軍需産業、主要メディアと敵対関係にあるため支持されていない。