米国務省の「影の政府」

24.10.2016

Image: mirrorspectrum

 

 情報公開法に基づく請求に従って、米FBIはクリントン氏が国務長官在任中に公務で私用メールアドレスを使った問題に関する捜査資料を4回に渡り9月から公開している。1017日に公開した最新の資料によると、クリントン氏と国務省の高官の一部が「影の政府」を通じて、クリントン氏が起訴されないようFBIに圧力をかけたことが明らかとなった。

 

「影の政府」

 FBI資料によると、国務省高官の捜査インタービューで、国務省には上級幹部を含む影響力をもつグループが存在することが判明した。国務省にある「7階のグループ」又は「影の政府」と呼ばれるグループは、毎週水曜日に会合を開き、クリントン氏のメール問題に関連する全ての情報の内容と扱い方、情報公開請求について話し合って、対応策を決めていた。

 

 

 この「影の政府」には、ジョン・ケリー国務長官、パトリック・ケネディ国務次官、主席補佐官で国務省政策企画本部部長のジョナサン・ファイナルなどが含まれている。

 

 

 

 公表されたFBI資料によると、2015年の6~7月に「影の政府」のケネディ国務次官は、クリントン氏が送受信したメールの機密指定解除を要請した。2012年のリビア・ベンガジ米領事館事件に関する機密指定のメール約100通の機密指定解除の交換条件として、FBIの駐在を現在禁止されているイラクを含む国々などに、在外高官ポストでFBIエージェントの派遣を認めることを打診した。クリント氏の「機密情報の送受信はしていない」の発言に合わせた隠蔽工作ともいえる。

 

 さらに、クリントン氏に関する情報公開請求に対して、通常の段階的公開ではなく一括した公開を要求した。長期的に問題が長引くことを阻止しようとしたのである。実際には、情報は4回に渡り段階的に公開されている。