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米国短期国債(Treasury bill)とユーロドル(Euro Dollar)の頭文字をとった、金融機関の使用リスクを示す指標であるTEDスプレッドが拡大している。金融市場で、貸し倒れのリスクが上昇、銀行がお金を貸したがらない、銀行がお金を借りにくくなっている状況を示している。
TEDスプレッド
TEDスプレッドとは、米国短期国債3カ月の金利と、金利の国際的指標であるLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の3カ月物ユーロドル金利との金利差である。米国債はリスクフリーのため、金融市場で信用不安が高まると、米国債は買われて利回りが低下、信用コストを示す銀行間取引の金利が上昇し始めると、TEDスプレッドが拡大していく動きとなる。その反対に、金融市場の信用不安が後退すると、TEDスプレッドは縮小していく。
9月16日には、3カ月物ユーロドル金利は7年ぶりの0.857%まで上昇した。そのため、 TEDスプレッドは2011年以来の0.579%まで上昇する結果となった。この水準を超えると、2009年以来の水準となる。
Source: Bloomberg
リーマン・ショックが起きる前の2007年にサブプライム問題が表面化した際、TEDスプレッドは2.4%まで急上昇し、リーマンブラザーズの破綻後には一時過去最高の4.5%を超えた。
金融市場での現状では、信用不安は高まる傾向にあり、信用収縮が深刻化する方向に向かっているため、次の金融危機の前兆として注目される。