ペットボトルの雑菌の脅威

18.08.2016

Photo: goodhousekeeping

 

欧州では夏場になるとペットボトルを持たない人はいないというほどほとんどの人が持ち歩いているのが常であった。しかしそのペットボトルがふたつの理由で時代遅れになろうとしている。生産数は減少しつつあるペットボトルの問題とは何か。

 

ひとつは廃棄された大量のペットボトルのリサイクル率は5%である。回収ができない場合、廃棄された樹脂は時間が経っても土に戻すことができない。第1の問題はペットボトルの環境問題、第2は衛生上の問題である。雑菌が繁殖したり、開封したペットボトルを持ち歩く間に雑菌が繁殖する。

 

飲料水ペットボトルの生産量は減減っているが、水質の悪い中国市場で躍進を続けている。そこでネスレは中国国内市場をターゲットにボトリング工場をつくり販売を強化しつつある。プラスチックのペットボトルから飲む水の危険性は意外に高い。特に問題なのは車内に放置されていたペットボトルである

 

 

 

 

 

 

 

 

フロリダ大学の研究グループは中国で販売されている16種の飲料水を異なる温度で放置し、極微量成分のアンチモンと樹脂の溶融成分であるビスフェノールの濃度を調査した。4週間後に高温に置かれていたペットボトルの両者の濃度は大幅に上昇したことがわかった。16製品の中でEPA基準を満たしたものはわずか1種であった。EPA基準ではビスフェノールはリットル中に0.0006mga以下である。

 

検出されたアンチモンとビスフェノールは長期間の摂取で健康被害をもたらす。また12製品を対象とした別の研究によると雑菌が飲み口のついたキャップから侵入して1立方cmあたり、30万もの雑菌がみつかったが、中には大腸菌やサルモネラ菌も含まれていたという。雑菌の濃度はボトルキャップに依存していてスライド式のもの(日本では販売されていない)が最も高く、1立方cm90万の菌が繁殖していた。

 

 

Source: scielo.br

 

 

キャップにストローが差し込まれたもの(これも日本では販売されていない)が安全であったことからすると、飲み口のないキャップが最も安全と言えるが、飲みかけを車中に放置して高温の環境におけば危険な雑菌レベルになる。欧州ではこのた  め水筒に水道水をいれて持ち歩く人が増えている。ペットボトルなら安全だという話ではないことを頭におくべきだろう。